伊藤テクライト事務所

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フリーのテクニカルコミュニケーターとして学んだ事柄や考えたことなどを自分用のメモとしてここに書いていきます。

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マニュアル制作

字詰めについて

ページレイアウトにおいて1行にいくつの文字を並べるか、というのが字詰めです。字詰めが多すぎると(例えば1行500文字の本を想像してみてください)、次の行に移ったときにそれまでどの行を読んでいたかわからなくなってしまいます。また、字詰めが少なすぎると(1行3文字の本を想像してみてください)、すぐに行が終わってしまい、せわしないことになります。すなわち、読みやすい字詰めというのがあるわけです。これは判型、文字サイズ、行間などによって異なると思われますが、『テクニカルコミュニケーション技術検定  テクニカルライティング分野受験対策テキスト 第1版』(テクニカルコミュニケーター協会)によれば、「30字から40字程度が読みやすい」とのこと。また、『文字の組方ルールブック ヨコ組編』(日本エディタースクール)には「横組では多くても40字前後が限界であり、できれば35字くらいにとどめておく。少ない場合は15字前後までであろう。」とあります。

用字用語辞典

文章の中でどういう言葉を使うかが「用語」、ある言葉を書くときに、どういう漢字を使うか、送りがなはどうするかなどが「用字」。文章を書くときにはこの用語と用字についての基準が必要です。

使用する漢字とその音訓については、国語審議会が定め、内閣訓令・内閣告示として周知されている「常用漢字表」というのが新聞やテレビ放送の基準になっています。出版されている用字用語辞典の類の多くは、これを基準にしていますが、それぞれの用途や都合に応じてアレンジが加えられているので、どれを使っても同じということではありません。

ざっとみたところ、用字用語辞典は次の4種類に分けられそうです。

(1)新聞社系

(2)放送局系

(3)出版社系

(4)その他

『わかりやすいマニュアルを作る 文章・用語ハンドブック』はマニュアル専用なので当然必携ですけども、用字用語については収録数が少ないのでこれだけでは不足です。マニュアルのように誰にでもわかりやすく読めることを目指すものにおいては、同じように対象を幅広く考えている新聞や放送で使われているものに準拠するのが妥当といえるでしょう。出版社系のものは文芸作品なども出す関係か、一つの言葉に対して複数の表記を併記するなど用字用語の基準が緩やかで、統一をとるための基準として使うのには若干不向きです。

上の一覧中で☆印を付けた共同通信社『記者ハンドブック 新聞用字用語集 第9版』とNHK『新用字用語辞典 第2版』はとても使いやすく、気に入っています。どれか一冊ということならNHK『新用字用語辞典 第2版』がよいと思います。

なお、この手の本は時代の変化に合わせるために改訂が行われます。購入の際は最新版であることを確認してください。また、改訂が出たときは買いなおすことをお勧めします。(02.12.14)

情報の分類方法

マニュアルの構成を考えるときや製品の機能を説明するときなど、情報をどのように分類整理するかという問題が発生します。『それは「情報」ではない』(リチャード・ワーマン著、金井哲夫訳、MdN刊)によれば、情報の分類方法は次の五つしかないそうです。

これらの頭文字をとって、LATCH(ラッチ)と呼びます。

例えばオーディオ製品の操作パネルについて説明する場合、上記の各分類方法でどうなるか考えてみましょう。

Location(位置):位置を基準にする

操作パネル上の位置の順番で機能を説明していくことになります。例えば左から右へ、という具合。

Alphabet(語順):言葉の順序を基準にする

操作パネル上の各ボタンを、その名称の語順にしたがって説明していくことになります。

Time(時間):時間軸を基準にする

操作の順番に沿って説明していくことになります。最初は電源ボタンを押し、次に電源ランプを確認する。それからCDトレイのボタンを押し…、という具合です。

Category(分野):内容(分野)を基準にする

機能の分野ごとに分類して説明していくことになります。電源関係、CD関係、音量・音質関係、といった具合でしょうか。

Hierarchy(階層):大小、安い高い、重要性など、特定の基準に基づいて情報の序列を決める

これは、非現実的なものも含め、さまざまな考え方ができると思います。一番ありそうな分類方法は、重要性の高い順に説明する方法でしょうか。ほかには、使用頻度順、スイッチの大きさの順、といった分類方法が考えられます。

まとめ

情報の種類や説明の目的により、最適な分類方法は異なってくるでしょう。上の操作パネルの例でいうなら、各部の名称を示すときには「Location(位置)」で分類するのがよいでしょうし、機能の一覧表では「Alphabet(語順)」か「Category(分野)」がよいのではないでしょうか。(2002年12月1日)

索引についてのエトセトラ

索引は大事

ページ数の多いマニュアルでは索引は重要だ。目次があればよいと考える人もいるが、目次と索引ではその機能は異なる。目次の項目はページ順に並んでいるが、索引は五十音順だ。思い浮かべた調べたい言葉を目次の中から探すのは大変だが、索引なら五十音順だから見つけ出すのは容易だし、索引にないということもすぐに判断できる。マニュアルが50ページを超えるなら、ぜひ索引をつけたい。

ユーザーが引きそうな用語を索引に

ユーザーが引きそうな用語をすべて拾うというのが基本方針。具体的には次のように拾う。

まず、見出しや機能名を拾う。次に、通読しつつ、本文、補足、注意書きなどで説明している用語を拾う。 ただし、単に用語が使われているというだけではダメで、そこにその用語に関する有用な情報がなければならない。

ユーザーが引きそうもない言葉を入れる必要はない。例えば「よく使う機能」という見出しがあったとする。ユーザーが製品を使用するのに際して「よく使う機能」という言葉を引くことはあるだろうか? まずないはずだ。ユーザーが知りたいのは、何かをするための操作や制限など、具体的な情報だ。

マニュアル中に出てこないけれどもユーザーが引きそうな言葉もある。そういう言葉は、索引に載せたうえで他の項目を参照させる。たとえばマニュアルでは「ホームページ」という言葉ではなく「ウェブサイト」を使っているとするなら、「ホームページ」で索引を引かれたときのために「ホームページ → ウェブサイトを参照」という項目を索引に入れておく。

項目の並べ方

項目を現代かなづかいによる五十音順とするのが基本だが、日本語にはいろいろな種類の文字が含まれるので、配列に迷う場合もある。五十音順で決まらないものについては、次のようにする(『出版編集技術』(藤森善貢著、日本エディタースクール出版部)より)。

なお、長音符の扱いとしては、長音符を無視する方法(例:ガーター → ガタ)や他の文字よりも前に置くという方法もある。促音、拗音を直音の前におく例もある(岩波書店『広辞苑』、三省堂『新明解国語辞典』、講談社『日本語大辞典』)。

マニュアル制作では、索引の配列はDTPソフトにある程度まかせることになるが、DTPソフトはどのようなルールで順序を決めているのだろうか。マック版PageMaker6.5の場合でいうと、項目に対して入力した「読み」で配列を決めている(「読み」の入力を省略すると、項目そのものが配列の基準になる)。その配列の規則は、『出版編集技術』と比べると次の点で異なる。

あくまでも「読み」でもって配列されるので、「読み」を変えてやることで配列を変えることができる。例えば、「友愛」よりも後に「ユーザー」を置きたければ、「ユーザー」の読みを「ゆうざあ」としておけばよい。

索引は一つがよい

1冊のマニュアルの中に、通常の索引、機能名索引、目的別索引、図表索引など複数の索引が存在する場合がある。便利そうだが 、索引の利用に慣れていない一般の人にとってはかえって使いづらい。通常の索引を使いたいのに目的別索引を開いてしまったり、その逆をやってしまったりということが頻繁に起きる。知りたい項目を調べるのにどの索引を使うのがいいのか、迷う場合もある。索引は一つがよい。

階層のある索引は便利か

階層化というのは、次のように上位と下位の項目で索引を構成することだ(「――」の部分は上位項目の省略の意味)。

コンピュータ……………90,109
  ――の起動…………12
  ――の終了…………14
システム…………………70,159
  仕様…………………200
  ――の構成…………80
  ――フォント………93

下位項目に上位項目のキーワードを含めない形式もある。

コンピュータ…………90,109
  起動………………12
  終了………………14
システム………………70,159
  構成………………80
  仕様………………200
  フォント…………93

索引の階層化は見た目を複雑にするので必ずしもよいとは思わない。索引を使うのに慣れていない人にとって、階層化された索引はやっかいなものに見えることだろう。対象読者がローエンドの場合には、索引の階層化は避けるべきだと思う。

しかし、索引の使い方を知っている者にとっては、階層化された索引は便利だ。調べようと思った言葉がヒットする確率が高くなるからだ。例えば、携帯電話のマニュアルで「録音した通話中の音声を消去する方法を調べたい」としよう。ユーザーが索引で引きそうなキーワードとしては、「録音」「音声」「消去」などが考えられる。次のような索引になっていれば、どのキーワードで引いた場合でも消去の方法を見つけることができる

音声
   音量調整
   録音
   録音した音声の消去 ← 目的の項目

消去
   写真
   録音した音声    ← 目的の項目
録音
   消去        ← 目的の項目
   通話の録音
   留守録

ただし、下位項目が多すぎるのはいけない。Adobeのマニュアルに顕著なのだが、例えばAdobe Illustrator8.0の『ユーザガイド』の索引では「文字」という項目の下位項目だけで丸々索引の1ページ以上にわたっていた。これでは 、いま見ているのがどの項目内なのかがわからなくなってしまう。

階層のある索引の作り方のヒント

階層化された索引の作成では、上位項目と下位項目の対応づけが難しいところだろう。その方法については『ドキュメント作成方法論』(Sandra Pakin and associates, Inc.、日経BP社、ISBN4-8222-7072-6)に解説がある。

(1)索引のもとになる情報を選別する
  本文を読みながら、索引項目の候補にマークをつけていく。
(2)情報の内容を分析する
  もう一度本文を読み直し、マークしたのが適切な言葉かを吟味する。
  マークした項目が他の項目の下位項目になり得るかも検討する。
(3)情報を索引カードに書き込む
(4)情報を並べ換える
  カードを並べ換え、カードを読んで再度吟味。
(5)書式を作って情報をそれにあてはめる

オリジナルの英語版はかなり古い本(1983年刊行)なので、DTPソフトを前提とした書き方にはなっていないが、ひととおりマークをつけてから上位下位の割り振りを考えるという手順はDTPソフトを使った場合でも有効だろう。

Technical Documentation Handbook』(Susan I. Schulzほか、Digital Press、ISBN1-55558-103-X)は、一つの章を索引の説明に費やし、どういう項目を索引にするか、するべきでないかをさまざまな事例とともに示している。上位項目としては名詞や名詞句、動名詞を使い、下位項目には広い意味でそれを修飾する言葉を入れていくというのが大原則のようだ。上位項目と下位項目を組み合わせると一つのフレーズとなるわけだ。この原則は、日本語マニュアルの場合にも当てはめられるのではないだろうか。

参考

科学技術情報流通技術基準(Standards for Information of Science and Technology, SIST)
技術文書作成に関する基準を定めたもの。索引の作り方についても詳細な解説がある。

American Society of Indexers
米国の索引作成専門家の組織。索引のチェックリスト、関連カンファレンス、セミナー、大学の講座案内など、索引関係の情報が豊富。

(2007年1月5日更新)

商標の記載について

「Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。」といった記載をソフトウェアのマニュアルで見かけます。以前、官庁に問い合わせたところ、これは法律で義務付けられたものではないが不要な争いや誤解をさけるためにはそういう記載をしておいたほうがよい、との回答でした。また、マイクロソフトのウェブサイトには「商標を正しく使うことがマイクロソフトにとって必要不可欠なことです。以下のガイドラインをお読みの上、商標の正しい使用にご協力ください。」とあります。こういったことから判断するなら、やはり登録商標や商標のことをマニュアルに記載しておいたほうがよさそうです。

また、登録商標(登録された商標)には「R」を丸で囲んだ記号を、登録されていない商標には「TM」を付けることもあります。マイクロソフトはマイクロソフト製品についてはそうすることを求めています。このほか、マイクロソフト製品の商標の扱いについては、マイクロソフト Permission インデックスページに詳しい説明があります。

なお、ある製品名・サービス名が登録済みがどうかは、特許庁の特許電子図書館で簡単に検索することができます。(2002年3月22日)(2003年12月29日加筆)

経理や仕事全般

受注時に確認すべきこと

仕事の依頼があったときは、最低限でも次のことを確認したうえで受注するかどうかを判断すべきです(これらは自分から発注する場合に相手側に明示すべきことがらでもあります)。

各項目についてもう少し詳しく説明します。

作業内容

いうまでもないことですが、何をするのかを確認する必要があります。マニュアルを作るのか、翻訳するのか、本を書くのか、ヘルプを書くのか、ドキュメントを管理するのか、企画を提案するのか、そして対象となる読者はどういう人なのか…。もしかすると要求されていることが、技術的に自分にはできないかもしれません(たとえばプログラミング言語の解説書の執筆を求められても私にはできません)。あるいは、別の職種の人がやるべき作業かもしれません(DTPのみの作業ならば、DTPの専門家に任せたほうがよいでしょう)。もちろん、そういう技術を持った人とチームを組んで仕事を受けるという選択肢もありますが、それにしても自分一人でできるのかどうかの見極めは必要です。

納品物

内容がわかれば、納品物もほぼ判明しますが、それでも、何をどういう形態で納品するのかということは確認しておいたほうが安心です。納品物としては、テキストデータ、Wordデータ、DTPデータ、スクリーンショットなどが一般的だと思いますが、印刷の版下として使用するプリントアウトを納品しなければならないこともありますし、テキストデータだけだと思っていたのがスクリーンショットが数百点も必要だったりするなどということもあります。また、スクリーンショットに、指示を記入する必要もあるかもしれません。

分量

依頼が来た時点で、クライアントまたはエージェントによっておおよその仕事の規模は見積もられているものです。分量というのは、マニュアルでいえば何ページ程度かということです。

ただし、マニュアルの企画構成+制作という仕事の場合などは、マニュアルの分量(ページ数)をこちらから提案することになります。

日程

いつ始め、いつ終えるのか、ということです。「作業内容」と「分量」がわかっているわけですから、示された「日程」で作業を完了できるかどうか判断することができます。日程的に難しいようなら、作業する人数を増やす、日程を延ばす、などの提案をします。

支払い条件

単価はいくらか、どの時点で締め、どの時点で支払われるか、支払いは現金か手形か、ということです。単価については、こちらで見積る場合もあれば、あらかじめ決まっている金額を提示される場合もあります。

終わりに

以上です。これら四項目のどれでもかまいませんが、自分の望まない・想定外の内容で受注してしまった場合を考えてみましょう。できそうもない「作業内容」、どたんばで判明する「納品物」、物理的に無理な「分量」、絶対間に合わせられない「日程」、赤字が避けられない「支払い条件」、どれも悲劇的状況といってよいでしょう。悲劇というより、喜劇でしょうか。悲喜劇の主人公にならないためには、これらのことを受注時にしっかりと確認することが重要です。(2002年10月27日記す、2002年10月30日に更新)

消費税

フリーランサーやSOHOといえども、商売をしている以上、消費税は関係してきます。

免税事業者かどうか

 消費税への対応を考えるうえでキーとなるのは、自分が免税事業者かどうかです。前々年の売上高(所得ではない)が1000万円以下なら免税事業者で、1000万円を超えるなら課税事業者ということになります。免税事業者は消費税を納税しなくてよいのに対し、課税事業者は消費税を納税しなければなりません。

前々年の売上高≦1000万円 → 免税事業者(消費税の納付義務あり)

前々年の売上高>1000万円 → 課税事業者(消費税の納付義務なし)

 免税事業者が課税事業者になった場合は、消費税課税事業者届出書を提出する必要があります。また、課税事業者から免税事業者になった場合も、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出する必要があります。これらの届出は、年間売上高が1000万円の境界を上方または下方へ突破するごとに提出することになります。

 売上高の考え方ですが、免税事業者の場合は消費税も売上に含めることになるので、消費税を抜かずに計算して売上高を計算しなければなりません。

*2002年までは3000万円が分岐点でしたが、法改正により2003年からは1000万円になりました。よって、2003年の売上高が1000万円を超えている場合は2005年(平成17年)分の確定申告において消費税の納税が必要になります。

簡易課税制度について

 実際に受け取った消費税を積み上げて計算するのではなく、売上高の総額から、業種に応じた「みなし仕入率」分を除き、そこから計算する方式が「簡易課税制度」。届け出れば、簡易課税制度で計算することができます。ただし、届け出てあった場合でも、売上が5000万円以上になった年は簡易課税制度は利用できません。

 簡易課税制度を届け出てある事業者が、課税事業者から免税事業者になった場合、消費税の納税義務が生じるのかどうか、税務署に尋ねたところ、その場合でも免税事業者であることには変わらないので納税は不要とのことです。ただし、免税事業者から課税事業者に戻った場合は、簡易課税制度の届け出はまだ有効のままなので、簡易課税で消費税を計算することになるそうです。

消費税をもらう

 原稿を執筆するなどでしてマニュアル制作会社や出版社から報酬をもらう場合、5%の消費税を上乗せすることができます。免税事業者であってもです。消費税は取らないことにしてもかまいません。こちらが消費税を取らないつもりでも、クライアントによっては自動的に消費税を付加して支払ってくれるところもあります。

 免税事業者のところに入ってきた消費税はどうすればよいか税務署に問い合わせたところ、売上として処理してよいとの回答でした。そうした場合、クライアント側の認識する報酬額(消費税は含まれない)とこちらの認識する売上額とが異なってしまい、翌年にいただく支払調書の額とこちらの帳簿の売上額に食い違いが生じてしまいますが、それはかまわないそうです。ただ、どの分が消費税でどの分が元々の売上かは帳簿上わかるようにしておいたほうがよいとのことでした。

消費税を払う

 消費税を払う立場になったときはどうなるのでしょう。例えばイラストを法人に外注したとして、その会社からイラスト代+消費税が請求されてきた、というような場合です。これは自分が課税事業者でも免税事業者でも消費税も含めて支払う必要があります。

消費税を納める

 自分が課税事業者ならば、支払った消費税分は控除できます。免税事業者は、受け取った消費税を納付しなくてもよい代わり、支払った消費税分は控除できないので、支払った消費税分は丸損ということになります。届け出により課税事業者になる選択肢もありますが、納税の手続きが増えることを考えるとどっちが得なのかは一概にいえないでしょう。(2006年2月13日更新)

北米テクニカルライター事情

TECHWR-Lというメーリングリスト(英語)では、テクニカルライターの募集やイベントの案内などのメールも配信されます。2000年2月15日に配信されたものを調べ、北米ではどのようなテクニカルライターがどのような条件で募集されているのかをまとめたのが以下の表です。給与についても表に含めるつもりでしたが、明記しているのは1社だけだった(時給35ドル)ので省きました。

この表を眺めていると、北米地域の望まれるテクニカルライター像が見えてきます。5年以上のキャリアがあり、FrameMaker、Acrobat、RoboHelpなどが使える人、という感じでしょうか。これ以外にも各社それぞれいろいろな条件や要望も書いてありましたが、総合すると「一人で何から何までやれて、短いスケジュールでもマニュアルが作れる人」が求められているようです。(2002年2月16日)

募集職種 必要なキャリア ソフト使用経験
Senior Technical Editor 編集業務5年以上 FrameMaker, Acrobat, MS Word
Senior Technical Writer 編集業務5年以上 FrameMaker, Acrobat, Helpオーサリングソフト, MS Word
Intermediate-to-senior writers ソフトやハードの導入ガイド、保守ガイドなど執筆経験 Word 6+, Frame 5.5+, Visio, HTMLエディタ, RoboHelp (または同等品)
Documentation Manager ドキュメンテーションマネージャまたはチームリーダとしての経験(3〜5年)、ソフトや通信機器のマニュアル執筆経験 ドキュメンテーションとオンラインヘルプのツール
Senior Technical Writer ソフトまたはハードのマニュアル執筆経験4年以上 FrameMaker
Technical Writer テクニカルライター経験5〜7年 Acrobat, HTMLエディタ, FrameMaker, Quadralay WebWorks,  Adobe Illustrator
Entry-level technical writer    
Senior Technical Writer コンピュータ言語マニュアルの執筆経験(3〜5年) FrameMaker, Illustrator, Acrobat, RoboHelp
Senior Technical Writer 5年以上のライティング経験 RoboHelp, FrameMaker, HTMLエディタ
Jr./Int. Technical Writer   FrameMaker, MS Word, PowerPoint
Senior Technical Writer 3年以上のテクニカルドキュメントの制作経験 FrameMaker, Acrobat
Technical Writer 3年以上のテクニカルライティング経験  
Senior Technical Writer コンピュータ言語マニュアルの執筆経験(3〜5年) FrameMaker, Illustrator, Acrobat, RoboHelp
Senior Technical Writer 3〜5年のコンピュータハードのマニュアル執筆経験 FrameMaker, Illustrator, Acrobat, AutoCAD
Technical Writer ユーザードキュメントとオンラインヘルプの開発経験2年以上 FrameMaker, ヘルプオーサリングツール
Technical Writer ソフトウェアマニュアル執筆経験2年以上 MS Word, Visio, FrameMaker

源泉徴収

SOHOにおいては、グループで仕事を受ける必要も出てきます。場合によっては、自分が受注した仕事を複数の個人に分担してもらうこともあるでしょう。その報酬を支払う場合には源泉徴収が必要になります。源泉徴収とは、報酬を支払う時点で所得税を引いておくことです。

源泉徴収が必要なのは

・外注先が個人の場合のみ、源泉徴収が必要となる。法人の場合は不要。

・外注する仕事によっては源泉徴収は不要だが、原稿執筆、イラスト作成、DTP、デザインといった、マニュアル関係の制作費は源泉徴収の対象となる。どのような仕事が対象となるかは、税務署が無料で配布している『源泉徴収のあらまし』に記載されている。

・青色専従者給与を支払っている場合は、源泉徴収が必要。青色専従者は給与所得者ということになるので、青色専従者自身は確定申告は不要で、年末調整によって社会保険、生命保険などの控除を行う。

どのように徴収するか

・代金は「報酬料金」という費目とする。

・支払う際に、その10%を所得税として引く。ただし一人への支払い額が一回で100万円を超える場合は、超えた分については税率が20%となる。

納税方法は

源泉徴収によって引いた金額は所得税なので、納税しなければなりません。

・支払った月の翌月10日までに、税務署にある「納付書」を使って金融機関で国へ納付する(専従者給与の場合は半年ごとにまとめて納税することができる)。

・翌年の1月10日までに(一定の条件を満たせば20日まで)、支払い先ごとへの支払い金額合計を「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」に記載し、「法定調書合計表」とともに税務署に提出する。義務付けられているわけではないがそのコピーを支払い先へも送付する。なお「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」は、その支払い先への支払い金額合計が5万円以下の場合は、提出義務はない(金額は依頼業務によるが、われわれが外注するような業務ではその金額)。

(2004年1月16日更新)

学費は経費になるか

2003年10月から放送大学で勉強しているが、この学費は経費になるのだろうか。税務署に問い合わせたところ、それが仕事上必要なものであれば経費にできるが「将来のため」というレベルでは経費にはできないとのこと。(2003年11月6日)

扶養ではない家族の国民年金の支払いは控除対象か

青色専従者となっている妻(扶養をはずれている)の国民年金や国民年金基金をこちらで支払った場合、それもこちらの社会保険の控除として扱うことができるか、税務署に問い合わせてみたところ、可能だとのこと。(2003年11月6日)

PCとインターネット

Windows&Office標準フォント

1. Window98SEインストール直後のFontsフォルダ

フォント数36。数え方はFontsフォルダでの表示に準拠。たとえばMSゴシックとMS Pゴシックは「MSゴシック&MS Pゴシック」という具合に1つとしてカウントされています(フォントファイルはmsgothic.ttcという1つのファイルにまとめられているからでしょう)。ちなみに日本語フォントはMSゴシック&MS Pゴシック、MS明朝&MS P明朝の2種類のみです。

2. Windows2000 Professionalインストール直後のFontsフォルダ

フォント数36。中身はWin98SEと全く同じでした。

3. WindowsMeへアップグレード後のFontsフォルダ

フォント数40。Windows98SEからMeへアップグレードした状態です。Windows98SEから追加されたのは、以下の4フォント。

4. Office97 Professionl Edition (Upgrade版)

フォント数57。上記1へOffice97 Professionl Edition (アップグレード版)をインストールした直後の状態です。インストール方法は「標準」です。インストール前は36個だったので、21個増えている勘定です。比較してみると、増えているのは以下のフォントでした。

5. Word98

フォント数57。上記4にWord98をインストールしたところ、フォントに変化はありませんでした。

6. Office2000 Premium

フォント数80。上記5にOffice2000 Premium (アップグレード版)をインストール。前バージョンを残して別ドライブへインストールするというオプションを選びましたが、おそらくフォントについては上書きインストールの場合と同じ状態だと思います。

Office97から増えているのは、次のフォント。

圧縮解凍ツール(Windows編)

原稿をメールでやり取りする場合、その前段あるいは後段の作業としてデータを圧縮したり解凍したりといったことを行うことが多いと思います。頻繁に行う作業なだけに、使用する圧縮解凍ツールは使いやすいものにしたいところですが、この手のソフトはいろいろあって、どれがよいのか決めかねます。現時点での私のお勧めは、+Lhaca。解凍専用のLhasaは有名ですが、あの使い勝手のまま、圧縮もできるようにしたソフトといってよいでしょう(Lhasaとは別の作者による製品です)。+Lhacaには次のような特長があります。

いいでしょう? 圧縮解凍ツールに迷っているなら、ぜひお試しを。

Word活用メモ

TCストリートで聞いたもの、本で読んだもの、自分で偶然発見したものなど、いろいろ。

分類 機能 操作
選択 複数個所選択 Ctrlキーを押しながら選択操作
  単語選択 ダブルクリック
  行選択 行の左余白をクリック
  段落選択 行の左余白をダブルクリック
  ブロック選択 Ctrl + Shift + F8 を押し、矢印キーで選択
移動 前回の編集個所への自動移動 AutoOpenという名前で以下のマクロを標準テンプレートに登録しておく。ファイルを開いたときに自動的に前回編集個所に移動する。
 Sub AutoOpen()
 Application.GoBack
 End Sub
  直前の編集個所への移動 Ctrl + Alt + Z または Shift + F5 *他のファイルを開いているときやファイルを開きなおしたときでも機能する
編集 書式のコピー&ペースト Ctrl + Shift + C、Ctrl + Shift + V *文字列だけでなく、図形の書式でも使える(線の太さや塗りなど)
  直前操作の繰り返し Ctrl + Y または F4 または Alt + Enter
  書式の解除 Ctrl + スペース
  段落書式の解除 Ctrl + Q
  フォントサイズ変更 Ctrl + Shift + < 、>
  フォントサイズ変更(1Pずつ) Ctrl + [ 、 ]
  大文字・小文字切り替え Ctrl + Shift + A
画像の扱い 多数の画像の挿入 ・「図の挿入」アイコンをツールバーに表示しておくこと
・挿入時のファイル選択ダイアログボックスで、Shift+クリックすると、複数の画像を選択してまとめて挿入することができる
  サイズ圧縮 画像を貼り込んでいくとWordのファイルサイズが巨大になるが、次のようにしてファイルサイズを減量できる。まず画像をダブルクリックし、表示されたダイアログボックスで「圧縮」ボタンをクリックすると、「図の圧縮」ダイアログボックスが表示される。「設定の対象」欄で「ドキュメント内のすべての図」を選択し、「解像度の変更」欄で「Web/画面」を選択し、「オプション」欄のチェックボックスをオンにする。これによりファイルサイズは劇的に減る。
表示 表示倍率変更 Ctrl + ホイール回転(Excel、PowerPointでも可)
  スタイル名を全表示 Shift + スタイル名コンボボックスクリック
カスタマイズ デフォルト状態での起動 起動コマンドに /a を付加。具体的には、スタートメニューで「ファイル名を指定して実行」を選び、「参照」ボタンでWordの実行ファイルを選択後、後ろに /a を追加し、実行。
例 "C:\Program Files\Microsoft Office\Office\Winword.exe" /a
あるいは、Wordのショートカットのプロパティを開き、「リンク先」欄で /a を追加。
  数式表示 付属の数式エディタをインストールする、または数式フィールドで作成する。数式フィールドは、[挿入]-[フィールド]で挿入。数式エディタは、標準インストールではインストールされない 。
  パスワード 2000/XP:保存ダイアログボックスで[ツール]-[オプション]を選択し、パスワードを設定
98:保存ダイアログボックスで[オプション]をクリックし、パスワードを設定

Outlook活用メモ

受信したメールを使って連絡先を登録する方法

受信したメールをダブルクリックして開き、差出人名を右クリックし「Outlookの連絡先に追加」を選択すると、連絡先にその差出人の名前とメールアドレスを登録することができる。

宛先のすばやい入力方法

(1)メールの宛先欄に、宛先の名前の一部を入力する。

(2)Ctrl + K キーを押す。

入力した文字列を含む連絡先の一覧が表示される。

(3)目的の宛先を選択する。

よく使う機能はツールバーに配置

Officeに共通の機能だが、[ツール]-[ユーザ設定]を選択すると、コマンドをツールバーに配置することができる。これを利用し、よく使うコマンドをツールバーに出しておく。配置したボタンの名前は変更できる。また、不要なメニューは削除する。

返信メールの引用を自動整形

Outlookのメール機能で「返信」を選ぶと、相手のメールが次のような形式で引用される。

 

> -----Original Message-----
> From: ×××× ←ここに相手の名前が入る

> (以下、相手のメール本文が引用される)

 

一般的には、次の形式になるメールソフトが多いと思う。

 

×××× wrote:
> (以下、相手のメール本文が引用される)
 

Outlook-QuoteFixをインストールすると、この一般的な形式にしてくれる。整形で改行する桁数も設定できる。

検索機能の強化

Microsoftが無償で提供しているWindowsデスクトップサーチは、PC内のデータを高速に検索するユーティリティなのだが、Outlook内のデータも検索することができる。動作も速いし使いやすい。Outlookの検索機能に不満がある場合は、Windowsデスクトップサーチの使用を推奨する。

迷惑メールのオプションを活用する

Outlook2003では迷惑メール対策が強化されている。

[アクション]-[迷惑メール]-[迷惑メールのオプション]を選択すると、迷惑メール関連のオプション設定が表示される。私の設定をタブごとに紹介する。

○[オプション]タブ

迷惑メールと判断されたメールを「迷惑メール」フォルダに自動的に振り分ける機能。ずっとレベル「高」で使っているが、そうでないものを迷惑メールとして振り分けることはまずない(皆無とはいえないが)。判断を行うフィルタ機能はマイクロソフトがメンテナンスしているので、Officeのアップデートにより最新の状態にすることを勧める。

迷惑メールのオプション

○[受信拒否リスト]タブ

ここにはメールアドレスだけでなく、ドメインも登録できる。登録したアドレスやドメインからのメールは迷惑メールとして迷惑メールフォルダに自動的に送り込まれる。「こんなドメインからは迷惑メールしかこない」というドメインのメールであれば、どんどん受信拒否リストに登録していく。アドレスを個別に登録するよりも効率的。

○[インターナショナル]タブ

「ブロックするトップレベルドメイン」をクリックすると、ccTLDごと迷惑メールとして設定できる。「こんな国からは迷惑メールしかこない」という国があるときは、その国のccTLDのチェックボックスをオンにする。

ウイルス対策

Outlookはウイルスのターゲットとなっているので、ウイルス対策は不可欠。セキュリティの強化されている最新版(Outlook2003)を使うこと、WindowsUpdateは 自動更新にすること。

メール形式をテキストにする

HTML形式のメールは忌避されることがあるので、次のようにしてテキスト形式に設定を変えておくこと。[ツール]メニューから[オプション]を選択し、[メール形式]タブのところでメッセージの形式を「テキスト形式」にする。

オプションダイアログボックスの「メール形式」タブで「テキスト形式」を選択する

Acrobat活用メモ

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1.AcrobatでPDFを開く

2.[ファイル]-[ファイルサイズを縮小]を選択

3.互換性欄で「Acrobat5.0およびそれ以降」を選択

*この処理により3.3Mが1.8Mに、3.2Mが1.7Mに縮小された。

WordファイルのPDF化

フォントを埋め込んでPDF化したい場合、印刷ダイアログで「Adobe PDF」を選択してPDF化すると、次のエラーが発生し、PDF化がうまくいかないことがある。

Error: GothicBBB-Medium not found, using Font Substitution. Font cannot be embedded.

この場合でも、PDFMakerを使うとうまくいくようだ。PDFMakerは、AcrobatのインストールによりWordのメニューに追加される。

投稿集

TC Streetに投稿したテキストです。内容は投稿時点のもので、古い情報も含まれますのでご注意ください。

オフショアリング(TC Street 2004/8/29)

TCストリートの皆さん、こんにちは。

intercomの8月号に"OFFSHORING: What Does It Mean for Us?" という記事が出ていました。恥ずかしながら「オフショアリング」のことはまったく知らなかったのですが、国外に仕事を委託することらしいですね。

英辞郎ではこんな風に解説されています。
「オフショアリング、海外に外注すること◆2002年ごろからアメリカのIT関連や事務系などの多くの仕事がインドや中国などの海外に外注されるようになったこと。これによってアメリカ国内の仕事が失われ政治問題にも発展している」

intercomの記事は、オフショアリングをテーマにしたパネルディスカッションをまとめたものでした。システム開発の業界ではインドなどへのオフショアリングが進んでおり、テクニカルコミュニケーション分野でもそれが始まっている、テクニカルコミュニケーターはこれをどう乗り越えればよいか…、といった内容となっています。

記事は北米の話ではありますが、日本の場合も「対岸の火事」というわけではなさそうですね。システム開発をインドや中国の企業に委託しているという話も聞きますし、中国の大連にコールセンターを移したという事例を紹介するテレビ番組も見たことがあります。コールセンター業務はTCの一分野だと思いますが、他の分野にもやがてオフショアリングが広がっていくかもしれませんね。

皆さんの周りにもそういう事例、ありますか?

日経パソコン「サポートランキング2004」(TC Street 2004/7/31)

伊藤です。

日経パソコン8月2日号に「サポートランキング2004」という特集が組まれているのですが、皆さんご覧になりましたか? 昨年も9月に「サポートランキング2003」が掲載されましたが、その2004年版です。

冊子マニュアル、電子マニュアルも含め、サポート全体を、ユーザーから見た満足度で比較したこの調査は、パソコンメーカーのマニュアルの品質を考えるうえで参考になるものだと思います。ユーザーの満足度は上がっているものの、他のメーカーの満足度がそれ以上に上がっているためにランクが下がってしまったというメーカーもあるので、ランキングそのものだけを見るのではなく、調査結果についてよく見ていく必要はあると思いますが。

ちなみに、昨年のランクが低かったためか、今年はアップルとソーテックが参加していないのですね。ちょっと残念です。逆にいうと、低くランク付けされてしまうリスクがあるにもかかわらずこの企画に参加したメーカーは立派だと思います。

マニュアル部門では、日本IBM、NEC、エプソンダイレクがベスト3なのですが、マニュアルを冊子マニュアルと電子マニュアルにわけて、それぞれのランキングをみると、

冊子マニュアル
  エプソンダイレクト、NEC、シャープ

電子マニュアル
  日本IBM、富士通、NEC

となっており、マニュアルのベスト3以外のメーカーも入ってきます。バランスよく高い評価を得ているメーカーが総合のランキングで上位にくるようです。

マニュアルに関する調査結果で注目すべきこととして、次の2点があると思います。

(1)マニュアルに対するユーザーの満足度の平均は、昨年よりもアップしている。
各社とも努力しているのですね。ゆえに、ますます努力しないと置いていかれるという状況があるようです。

(2)他のサポート分野(電話サポート、Webサポート、修理サポート)と比べると、マニュアルに対する満足度はまだ低い。
昨年よりマニュアルの満足度の平均が向上したとはいえ、他の分野よりはまだ低いということは、まだ改善の余地が十分あるということかもしれません。あるいは、どうがんばってもマニュアルの満足度はあまりあげられないという、何か根源的な問題があるのかもしれませんが…。

「サポートランキング2004」、みなさんはどうご覧になりましたか?

新聞広告に「取扱説明書」(TC Street 2004/7/25)

いとうです。

例によって雑談で恐縮ですが…。

新聞(朝日)をつらつらと眺めておりましたら、「取り扱い説明書」という言葉が目に入りました。シャープの液晶テレビ「アクオス」の全面広告の「アクオスは、電源コードから取り扱い説明書までエコロジーしています。」というコピーでした。

本体も梱包材も取扱説明書も、環境への負荷の少ない材料を使っているということを訴える広告です。取扱説明書については、紙は再生紙、インクは大豆油インクを使っているとのこと。

再生紙や大豆油インク(SOY INKですね)は他の企業も以前から使っていたと思いますが、このように広告で大々的に主張されると、「ああ、地球に優しい会社なんだな」という印象を与えますね。言ったもん勝ちでしょうか。

同じ新聞の別のページに丸谷才一氏の『ゴシップ的日本語論』の書評が出ていて、それによると同書ではパソコンのマニュアルも俎上に載せられているようです。読まれた方、いらっしゃいますか?

マジカルナンバー4.5?(TC Street 2004/4/21)

日経バイト5月号の特集「UI変曲点」が面白かったのでご紹介します。

PC、家電などのユーザーインターフェースの現状や今後の展望を紹介したものなのですが、パソコン雑誌としてはかなり突っ込んだ内容だと思います。

印象に残ったことはたくさんあるのですが、なかでも面白く感じたのは日産自動車の次世代情報機器の話です。多数の機能をメニュー階層にまとめる場合に、一度に表示する選択肢としては「4.5」あたりが最適だというのです。

一度に表示する選択肢が多いと視認時間が長くなるわけですが、かといって選択肢を少なくするには階層を深くしていかなければならない。階層が深くなりすぎると、結局は目的の機能にたどりつくまでの時間が長くなってしまう。そういうトレードオフがあるわけです。

実験の結果、選択肢が「4.5」のときにもっとも短い時間で目的の機能にたどりつけるということがわかったそうです(統計値なので小数点のある値になっています)。それで、日産では一度に見せる選択肢を四つにすることに決めたと。

「へぇ〜」って言いたくなりませんか。

アクセシビリティ診断ツール(TC Street 2004/2/24)

伊藤です。

スラッシュドットで知ったのですが、富士通がウェブのアクセシビリティ診断ツールを公開してますね。ちょっと使ってみたのですが、けっこう使いやすいですよ。

ツールは次の3種類。

(1) WebInspector(Windows版とMac OS X版)
ウェブのHTMLとCSSをアクセシビリティの観点からチェックします。

(2) ColorSelector(Windows版とMac OS X版)
ウェブの文字色と背景色の組み合わせに対して、健常者、白内障、第一色覚障害
(赤)、第二色覚障害(緑)、第三色覚障害(青)での見やすさを判定します。

(3) ColorDoctor(WindowsXP版)
ウェブやその他のドキュメントについて、第一色覚障害(赤)、第二色覚障害
(緑)、第三色覚障害(青)の見え方をシミュレートします。

ここからダウンロードできます。
http://design.fujitsu.com/jp/universal/assistance/index.html

日経パソコン「サポートランキング2003」(TC Street 2003/9/30)

日経パソコン9月号の特集は「サポートランキング2003」でした。PCメーカー13社に関して、ユーザーへのアンケート調査により、「サポート全体」「Webサポート」「電話サポート」「修理サポート」「マニュアル」「メールサポート」の6分野の満足度を調べたものです。パソコン関係の仕事をされている方には興味深い内容なのではないでしょうか。

このMLでは関心が高いと思われる「Webサポート」と「マニュアル」の二分野について、満足度ベスト3をご紹介しますと、
・Webサポート
  1.デル 2.日本IBM 3.NEC
・マニュアル
  1.NEC 2.エプソンダイレクト 3.日本IBM
となっています。ちなみに、「マニュアル」はさらに「冊子」と「電子マニュアル」に分けて調査されています。

興味深かったのは、Webサポートでもマニュアルでも、ユーザーが重要だと思う項目として「情報の見つけやすさ」が筆頭にあがっていることです。「分りやすさ」や「情報量」などよりもそれが重要だと。それだけ、求める情報が見つからなくて困るというケースが多いのかもしれませんね。

それから、満足度は+2〜-2の範囲で回答する形式なのですが、他の分野に比べて「マニュアル」の満足度のレベルが低いというのも気になりました。例えば「電話サポート」の満足度は1位NECが1.28、2位デルが1.09という値なのですが、「マニュアル」は1位NECが0.6、2位エプソンダイレクトが0.59というレベルなのです。まだまだ改善の余地がある、ということでしょうか。

話が散らかってしまいますが、電子マニュアルについて回答で目立った意見として、PDFは見づらいからHTMLにしてほしいというのがあるそうです。これ、たぶん、プリント用のレイアウトで制作してあるPDFマニュアルが多いからだと思います(アクロバットを起動する手間がいとわしいというのもあると思いますが)。画面で閲覧しやすいように作っておけば、だいぶ印象は違うのではないでしょうかねえ。

エクストリームプログラミング(TC Street 2002/10/16)

伊藤です。

日経バイトで、プログラミングの開発手法である「エクストリーム・プログラミング」が紹介されていました。「人間の視点に立った手法」であり、「作業が楽しくなる」というのが、この手法を採用している企業の方の証言。なんだか面白そうですよね。

記事によると、この開発手法では12種類(文献により数は異なる)のプラクティス(実践項目)を掲げています。こういう内容です。

計画ゲーム
短期リリース
メタファイル
シンプルな設計
テスティング
リファクタリング
ペア・プログラミング
共同所有
継続した統合
40時間労働
オンサイト顧客
コーディング規約
(日経バイト11月号より)

という具合に項目名だけ挙げても何のことやらわからないと思いますが、説明を読んでいると、ドキュメンテーションの分野にも部分的に応用できるんじゃないかという気がしてきます。

ドキュメント開発がプログラミングの開発手法の影響を受けるということはこれまでにもあったことですから、このエクストリーム・プログラミングの考え方がドキュメント開発の側の人間にとっても示唆に富むということは、自然なことかもしれませんね。

日経パソコン6月号「サポートランキング」(TC Street 2002/6/16)

日経パソコンの6月号に「パソコンメーカーを読者が審判 サポートランキング2002」という特集記事が掲載されていました。これはパソコンメーカーのサポートを、下記4分野についてのアンケート調査によってランク付けしたものです。
・Webサポート
・電話サポート
・マニュアル
・修理サポート

総合順位はこうなっています。
1位 デル、2位 エプソンダイレクト、3位 東芝(以下略)

マニュアルの順位は、総合ランキング、電子マニュアルランキング、冊子マニュアルランキングに分かれています。

マニュアルの総合
1位 デル、2位 富士通、3位 NEC(以下略)

電子マニュアル
1位 アップルコンピュータ、2位 富士通、3位 デル(以下略)

冊子マニュアル
1位 富士通、2位 東芝、3位 エプソンダイレクト(以下略)

このような結果でした。

記事ではアンケート結果の分析や電子マニュアルの動向なども解説されており、興味深いですよ。

テクニカルライターのティナ(TC Street 2002/3/24)

伊藤です。

インターコム3月号で知ったんですが、漫画の「Dilbert」にテクニカルライターのキャラクターが登場しているそうですね。ティナという女性で、主人公のディルバートの所属する技術部門でエンジニアに囲まれて仕事をしているという設定。

Dilbert公式サイト
http://www.dilbert.com

ここにティナの紹介文があるんですが、ちょっと皮肉っぽく描かれているみたいです。
http://www.dilbert.com/comics/dilbert/the_characters/html/character4.html#tina

このサイトでは過去の回が読めるようになっているのですが、そこからティナの登場する回を見つけることができました。下記の3月5日の回から3回連続で登場しています。みたところ、愛すべき性格として描かれているようです。
http://www.dilbert.com/comics/dilbert/archive/dilbert-20020305.html


インターコムでは、もう一つ、連続コメディドラマ「Andy Richter Controls the Universe」というのも紹介されていて(記事ではこっちがメイン)、このAndy Richterというのもテクニカルライターだそうです。

Andy Richter Controls the Universe公式サイト
http://www.fox.com/andy/

日本でも放映されたらいいですね。

家電製品の安全確保のための表示に関するガイドライン(TC Street 2001/6/26)

こんにちは、伊藤です。

最近、PLがらみのことを調べる機会があり、よいリソースを見つけました。ハードウェア製品のPL関連の記載をどのようにすればよいかを知るうえで、よい資料になると思います。たぶん、ご存知の方も多いと思いますが、一応ご紹介しておきます。

●家電製品の安全確保のための表示に関するガイドライン 第3版

所在は、「(財)家電製品協会」です。
http://www.aeha.or.jp/

ここのトップページからだと見つけにくいのですが、メインメニューから「財団法人 家電製品協会」を選び、表示された画面の右フレームで「警告表示のガイドライン(PDFファイル)」を選ぶと、「家電製品の安全確保のための表示に関するガイドライン 第3版」という文書が表示されます。
直接ご覧になる場合は、このURLです。
http://www.aeha.or.jp/guide.pdf

第2版までの内容の大部分はJIS S0101に反映されたそうです。第3版は新しいJISの規定に準拠し、JISに入らなかった内容はそのまま残してあるとのこと。ですので、JISの本をお持ちの方はほぼ同じ内容をご覧になれるかもしれません。

<目次>

まえがき、第3版によせて
1. ガイドラインの目的
2. 適用対象とする表示
3. 表示に関する基本的な考え方
3.1 表示事項
3.2 配慮事項
3.3 3つのレベルの表示
3.4 表示の要素
3.5 警告図記号の分類
3.6 表示の対象とする段階
4. 表示の対象とする事項
5. 危害・損害の程度の表示3
5.1 3つのレベルの定義
a)危険(Danger)、b)警告(Warning)、c)注意(Caution)
6. 表示の内容とその表現方法
6.1 使用者の想定
6.2 表示の内容の検討
6.3 危害・損害の程度の表示方法
6.4 絵表示
6.5 イラストの活用
6.6 説明文表示
6.7 新規の警告図記号を使用する場合
7. 表示の手段
7.1 製品本体への表示
7.2 取扱説明書への表示
7.3 カタログへの表示
7.4 据付説明書、サービス技術資料等への表示
7.5 タグまたは包装箱(個装箱)による表示
8. 安全点検のための表示
9. 表示内容の充実とその改善
9.1 表示内容などの見直し

9.2 工業会との連携
10. 表示関連法規
11. ガイドラインの運用
あとがき
付表−1(A)危害・損害の程度の表示方法
付表−1(B)警告図記号の使用上の留意点
付表−2 警告図記号
付表−3(A)製品本体への警告表示の例
付表−3(B)取扱説明書への警告表示の例
付表−4 安全点検マークおよびキャッチフレーズ
付表−5 取扱説明書などへの安全点検のための表示
付表−6 製品使用各段階の分類
付表−7(A)表示関連法規の例
付表−7(B)表示/安全に関係する国際規格と代表的な関連規格の例
PL表示WGメンバー(第3版)/ワーキングメンバー(第1・2版)
(第2版からの主な改訂点)
(警告図記号シート)

新聞記事紹介:「用語統一求める声が殺到」(TC Street 2001/4/17)

伊藤です。

日経新聞の土曜日の別刷り「NIKKEIプラス1」に山根一眞氏が「デジタルスパイス」というコラムを書いているですが、7日と14日の二回は、インターネット接続に関係する用語が業界でバラバラだから統一してはどうかという提案で、興味深かったです。例えばpopサーバーひとつとっても、pop3サーバー、受信サーバー、メールサーバーなどいろいろな呼び方があり、メールソフトやプロバイダーごとに違うので利用者は戸惑ってしまう、というような話です。

7日の記事でその主張を訴えたところ読者から用語統一を求める声が殺到したということが14日の記事で紹介されていました。用語の不統一のせいで苦労した方が大勢いるということがうかがわれます。投書には業界に対するこういう意見もあったそうです。

「自然科学(工学を含む)の世界では用語の定義は大切なことで、それにより円滑なコミュニケーションが図れるわけですが、たぶん、そのような素養のない人たちがかかわっているであろうこと。ふたつには、そのような人たちがあえて方言を作り出すことでアイデンティティーを作りだしているのでは」

アイデンティティー云々はちょっと違うかなという気はしますが、自分も含めて、パソコンやインターネットに関わる人たちが業界としての用語の統一に熱心でなかったということは言えるのではないかと思います。どんどん新しい用語が外国から入ってくる分野なので、統一ということにまで手が回らなかったという事情もあるにせよ。

ロボットの取扱説明書(TC Street 2000/11/29)

先日の日曜日、横浜で開催されていたロボットの展示会「ロボデックス2000」を見てきました。

ホンダのASIMOやソニーのSDR-3Xのような、小型で二足歩行できるロボットを見ていると、ああいうのが職場や家庭で人間の手伝いをする日はそう遠くないような気がしました。で、ふと、そういうロボットの”マニュアル”はどういう形態だろうかと思ったりもしました。

近未来におけるロボットと人間の交流を描いた『アンドリュー』という映画では、ロボットが頭頂部から映写装置のようなものを出して、それで空間に映像を映し出し、自分自身についてプレゼンテーションするというシーンがありました。一種のオンラインマニュアル? そんなふうにロボット自身が使い方を説明してくれるというのは、ありそうなことですね。

現在、市販されている唯一のロボットと言っていいソニーのアイボは、マニュアル類はたくさんついてくるようですね。マニュアルをご覧になった方はいらっしゃいますか?

テクニカルライターの著作権(TC Street 2000/8/7)

伊藤です、こんにちは。
また、雑談です。

Mainichi INTERACTIVEのサイトで、「記事の著作権二次利用で合意 全米ライター連合」という記事を読みました。
http://www.mainichi.co.jp/digital/network/today/7.html

要は「米国ではしばしば、フリーランスのライターは一次使用、すなわち、その出版社でのみの使用を認める権利を移転し、二次使用についての権利は保持する場合もある」ので、原稿が別の形で使用された場合は、その使用料を得られるようにしようという話です。

権利意識が強いと思われる米国において、いまごろそういう動きがあるというのが、むしろ意外な感じがしました。現実には、無断での二次利用がけっこうあるということなのでしょうか。

少し話は変わりますが、テクニカルライターの著作権について皆さんはどう思われますか? これは意見の分かれるところかもしれませんが、マニュアルの制作に当たっては法人から業務を委託されての執筆ということで、基本的には著作権は発注側(メーカー)が保有することになるというのが私の意見です。その根拠になるのが著作権法の15条だと思います。
「第十五条 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」

ただ、マニュアル制作の場合、きちんと契約書を交わすことなく仕事をする場合もけっこう多いので、著作権については”暗黙の了解”といいますか、そういうことでタッチされないままで済まされる場合がほとんどではないかと思います(海外の場合、この辺の事情はどうなのでしょうね)。

同じテクニカルライターの仕事でも、雑誌や市販される書籍の場合は話は別で、著作権は書き手にあり、二次利用においても契約に従った使用料が支払われますね。やっていることは同じようなことでも、ビジネスの相手がメーカーの場合と出版社の場合とで著作権の所在が変わってくるというのも、面白いものですね。

マニュアルは製品の売れ行きに影響するか(TC Street 2000/7/31)

日経新聞の土曜日版別刷りで「NIKKEIプラス1」というのがあるのですが、その7月29日付けの1面に「買いたいパソコンメーカーのランキング」が掲載されていました。1位はNECで、NECのコメントとして次のとおり。

「ビデオマニュアルなど、二、三年前から取り組んでいた初心者向け対応の強化が奏効した」

アンケートの結果からも、特に初心者の支持が大きいことがわかっています。(パソコンの非使用者の50%がNECの名をあげたそうな)

マニュアル(ビデオマニュアルなども含め)の品質は、ユーザーサポートに影響することはあっても、製品の売れ行きそのものには影響しないと思っていたのですが、そうでもないのかな、と思わされた記事でした。直接的な影響ではないかもしれませんが、マニュアルを充実させることが「うちの製品は初心者にも使いやすいですよ」というブランドイメージを浸透させるのに役立ったということでしょうか。

サミットよもやま話(TC Street 2000/7/24)

おはようございます、伊藤です。

九州・沖縄サミットで「グローバルな情報社会に関する沖縄憲章」(Okinawa Charter on Global Information Society)というのが採択されましたね。サミットなんていうと別世界の出来事のような感じもしますが、この憲章などは私たちの仕事にまんざら関わりがないわけでもなさそうです。「ITが提供する機会(デジタル・オポチュニティ)の活用」と「情報格差(デジタル・ディバイド)の解消」という部分にそれを感じるのですが、特に後者のほうは、TC分野にいろいろな形で深く関わってくる内容を含んでいると思います。この憲章で謳われていることがどのように具体化されるかは未知数だとは思いますが。下記のリンクで全文がご覧になれますので、ご興味のある方はどうぞ。

小室徹夜じゃない小室哲也プロデュースで安室奈美恵が歌うサミットのイメージソング、まだ聴いたことがなかったのですが、エイベックスのサイトで一部を試聴できますね。ちょっと沖縄伝統音楽の味付けがしてあって、悪くない感じです。個人的には、沖縄のアーチスト喜納昌吉がイメージソングを作ったとしたら、どんな曲になっただろうかという想像をしてみたりもするのですが…。喜納昌吉の公式サイトを見てみたら、冒頭にこういう言葉が掲げてありました。「すべての武器を楽器に/すべての基地を花園に/戦争よりも祭りを/そしてすべての人の心に花を/喜納昌吉」沖縄が花園だらけの島になる日がいつかくるといいのですがね。

雑談です: 「なので」について(TC Street 2000/6/23)

去年後半あたりから「なので」が接続詞として使われる例を見聞きすることが増えてきたように思います。例えば日経BizTechの記事中で、ある人がこのようにコメントしています。「今後1年間は、ASPサービスを利用するユーザーよりも、ASP市場に参入したい事業者の方が多いだろう。なので、そこに向けたサービスを用意した。」

http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/105375

以前なら「なので」のところは「そこで」とか「だから」とかが使われたのではないかと思います。「なので」は以前は「私は道産子なのでグレイを応援しています」というように必ずほかの言葉の後ろにくっついて使われていたのではないでしょうか。

接続詞として使う用法には、ちょっと新鮮な感じもありますから、それが普及の理由かなと思うのですが、誰が使い始めたのでしょうね。女子高生の言葉遣いが大人や小学生にも普及している例がたくさんありますが、これもそうなのでしょうかね。急速な普及に、言葉の伝播力を感じさせられました。

国語審議会答申(TC Street 2000/6/11)

今日の朝日新聞に、国語審議会がカタカナ語の言い換えや注釈の指針を作る方針だという記事が出ていました。

http://www.asahi.com/0611/news/national11005.html

「安易にカタカナ語を使いすぎ」という話題には皆さんうんざりしているかもしれませんね。少なくとも僕はそうでして、あらためて今回の記事をここで取り上げるのもどうかなという気もしました。しかし、こういう問題が国語審議会で取り上げられ、新聞でも報道されるということは、そういう話題にうんざりしている人間がいくらいたとしても、カタカナ語の乱用で迷惑をこうむっている人がやはり大勢いるというこ
となんだと思います。言葉が時代とともに変わっていくものである以上、この問題に終わりはなく、言葉を扱う仕事に携わる人はいつまでもこの問題について自覚的でなくてはならないのでしょうね。

上記報道では次の事例が挙げてありました。

---引用開始---
【定着しているのでそのまま使う】ボランティア、リサイクル、ガイド、ストレス

【日本語に言い換える】アカウンタビリティー→説明責任▽インセンティブ→誘因、刺激、報奨金▽ユーザー→利用者、使用者▽コンセンサス→合意、総意

【注釈を付けるなどわかりやすくする】ハードウエア、バリアフリー、アイデンティティー
---引用終了---

「インセンティブ」はよく聞く言葉ですが実は僕はあまり意味がよくわかっていませんでした。今回の記事を見てなるほどと思ったしだいです。「ユーザー」や「ハードウエア(ハードウェア)」などはパソコン関連製品のマニュアルではよく出てくる言葉ですが、この扱いについては皆さんどうお感じになりますか? パソコンはしだいに家電化しているようですから、引用例のような言い換えや注釈の付加は妥当なんじゃないかと僕は思いました。ただ、例えばソフトウェアの画面に「ユーザー」という言葉が出てくるのにマニュアルだけ「利用者」と書くわけにもいきませんし、新しい概念として理解してもらうためにあえてカタカナ語で表記したほうがいいというようなケースもあるでしょうから、一概に言えることではなさそうですね。

この答申は12月に最終的なものができあがる予定とのことですし、官公庁や報道機関を対象にした指針ということでありますから、現時点のマニュアル制作とかテクニカルコミュニケーションに直結するものではありません。「国語審議会」がどういう方法で個々の具体的事例を集めるのかはわかりませんが、ざっくり言って全国平均的か
らちょいと保守的な側にずらしたくらいの言語感覚で報道や公文書から集めたものではないかと思います。としたら、対象読者として中高年層まで含めたマニュアルにおいては、かなり妥当な指針として使えるかもしれません。どういう内容の答申が出てくるのか楽しみです。

森首相の「日陰」発言(TC Street 2000/6/7)

伊藤です、こんばんは。

森首相が視察先の中学で、生徒を前に「言葉は悪いけど、パソコンの出来ない人は『日陰』と言うんだ」と言ったそうですね。自嘲的に使ったのかもしれませんが、パソコンに触れる機会のない人が聞いたら不愉快に感じる可能性もあると思います。国のリーダーがそういうネガティブな表現をするべきではないですね。マニュアルでも、首相が使ったような意味では絶対に使えない表現だと思います。

J・パーネル氏のマニュアル談義(TC Street 2000/5/20)

日経バイト6月号の「混沌の館にて」でジェリー・パーネル氏がマニュアルのことを書いていましたので、ご紹介します。

いつもマイクロソフトのマニュアルのことを批判していたパーネル氏ですが、今回はPenguin社のLinuxマシンの紹介のなかで、付属の本の内容が古くなっていることを指摘しています。それに続けて、次のように書いています。

「優秀な人たちをソフトウェア開発に動員して働かせることは難しくない。困難なのは説明書、特にユーザ用マニュアルとツールについて作業させることである。」

「その最初の10%ほどに思った以上の時間がかかり、その時点で仕事全体に嫌気がさしてしまうのだ。彼らを仕事に戻らせてプロジェクトの文書化を完了させるためにはムチとサソリで武装した有能な管理者が必要だ。」

皆さんのところの管理者は、ムチとサソリで武装してますか?
「思った以上に時間がかか」るというのは、初めてマニュアルを作ったときに皆さん感じたのではないでしょうか。

日経新聞”斜め読み電脳辞典”(TC Street 2000/3/13)

11日の日経に”斜め読み電脳辞典”という記事が掲載されていましたが、皆さんご覧になられましたでしょうか。『悪魔の辞典』風に、電脳用語を皮肉ったものです。
たとえばこんな言葉が…

【ヘルプ】
困った時に開くと、なぜかいつも、自分が知りたいことだけ書いていないパソコンの基本機能。

【マニュアル】
デジタル機器の取り扱い説明書。最近は、本来の機能そっちのけで、ミステリー小説同様、厚さと内容の難解さを各企業が競い合っている。

なかなか手厳しいですねえ。

H"マニュアル雑感(TC Street 1999/10/24)

こんにちは、伊藤です。

例により雑談ですので、お暇な方のみお読みください。

一昨日、モバイル用のPHSをH"(エッジ)対応に買い換えました。サンヨーPASCAL PHS-J80という機種です。それまで使っていたのがパナソニックのル・モテという機種だったので、買い替えもル・モテのH"対応版にしようかと思ったのですが、「そっちはターゲットが女子高生だからお客さんはやめたほうがいい」という店員の説得にしたがいPASCALにしました。サンヨーのマニュアルも見てみたいという気持ちもありました。

●女子高生仕様のマニュアル
さて、PASCALのマニュアルですが、仕様は1色、B6サイズ、320ページ。束(つか)は1センチほど。けっこう厚いです。本文の文字サイズは8ポイントほど。けっこう小さいです。

埋め草的に入っているイラストが、少女趣味で、ほほえましい。例えば電卓機能の説明のページにあるイラストは、「会計の時などに…」というキャプションがあり、かっこいい男の子が女の子に「1人いくら?」と問いかけ、女の子は頬を少し赤らめながら「ちょっと待ってね」といってPASCALで計算する、といったものです。PASCALも主なターゲットはやはり女子高生あたりであるということがうかがわれます。
文字サイズを8ポイントにしたのも、ターゲットが若い=目がいいということを前提としたものなのでしょう。年配者にはつらいと思いますよ、この文字サイズは。

●長所
ユーザーとしてマニュアルをあちこち読んだのですが、求める情報は目次や索引からちゃんと見つけることができ、説明もまずまずのところわかりやすかったです。マニュアルとしての役割は果たしています。操作キーをアイコン化して、言葉ではなくそのアイコンを並べることで操作手順を示す方法は、家電系マニュアルでは定番の手法ですが、やはりわかりやすいです。膨大な機能を上手にコンパクトにまとめた、というのが全体からの印象です。

●短所
手順1の右に手順2、手順2の右に手順3、というように横に手順が進んでいくレイアウトなのですが、見開きの場合は左ページから右ページへと手順が進み、右端まで行くと、また左ページ(下側)へ戻ります。これがわかりにくい。例えば手順1、2は左ページにあり、手順3が右ページにあり、手順4は左ページ(手順1,2の下)という具合です。デザインのせいもあるかもしれませんが、しばしば僕は1、2、4というように同じページ内で目線を動かしてしまいました。

あと、手順番号や章番号が装飾色の強い書体で、視認性が悪いというか、判読しにくいです。単独では「1」は「I」、「7」は「V」にしか見えません。いったん気づけばいいのですが、最初は混乱しました。これはいただけないです。

●製品についても一言
モバイル通信での利用では、問題ありです。データ通信用のコネクタを使うときは、キャップを取り外す必要があるのですが、これが手では取れない。ボールペンなど、先の細い硬い道具が必要。取り外したキャップは小さいものなので、すぐになくしそう。これでは使いにくいです。頻繁に通信に利用する場合は、キャップは外したままにしておくしかなさそうです。

ちなみに以前使っていたル・モテは、ゴムのキャップになっており、爪で簡単に開けることができました。しかも一端がボディに固定されていたので、なくす心配もなかった。

PASCALの仕様は、女子高生はモバイル通信などしないからいい、ということなのかな。

→H"について
http://www.ddipocket.co.jp/h/index.html
→PASCAL PHS-J80について
http://www.sanyo.co.jp/AV/PHS/J80/

日経新聞9/18:ケータイ軽く、説明書は重く(TC Street 1999/9/20)

こんにちは、伊藤です。

9月18日付けの日経に「ケータイ軽く、説明書は重く」という見出しの記事が掲載されていました。携帯電話はどんどん軽くなってきているのに、説明書のほうは逆に重くなっているぞ!という内容なんですが、みなさんご覧になりました? 記事によると、説明書の重さはアナログ時代には本体の数分の一だったのが、ある最新の機種では本体の約4倍にまでなっているそうな。しかもこれは本体の取扱説明書だけの話で、追加サービスの説明書を入れると、本体の10倍の重さになる場合もあるとか。

このような問題点の指摘は有意義なことだと思いますね。マニュアルがたくさんあるということは、テクニカルライターの需要もたくさんあるということではありますが、どさどさとマニュアルが携帯電話に付属してくる状況は、多くのユーザーにしてみればあまり嬉しいことではないでしょうからねえ。読まれずに捨てられるマニュアルも多いことでしょうし。

NHK「クローズアップ現代」(TC Street 1999/9/17)

昨日テレビをつけてみたら、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、製品開発やユーザーサポートのおける「日本語」の問題を取り上げていました。私たちの仕事にも関係が深い内容でしたので、面白かったです。見たのは途中からでしたが、内容をご紹介しておきます。

・テレビだかビデオだかのリモコンのボタン名を日本語にしたメーカーの意図や苦労の紹介(どういうボタン名がよいのかを検討する過程を取材してました)
・電子メールによるユーザーサポートでの、ユーザーとメーカーの行き違いの事例紹介(メーカーの方が、文字によるコミュニケーションの難しさを語ってました)

で、まとめとして元「広告批評」編集長の天野さんが、二つのことを話してました。一つは、日本人は自分の気持ち一方的に述べることはできても、相手のことを考えながら相互通行的に対話する能力が不足しているのではないか、そういう能力が必要になっているということ。もう一つは、携帯電話は電子メールなどの普及で、大量の日本語が行き来する時代となった、その中で、口語的なものを取り込んだ新しい日本語の文体が生まれつつあるのではないかということです。

あと、天野さんの話の中ででてきたんですが、メーカーは技術の言葉と生活の言葉の両方を使いこなさないといけないが、いまの日本のメーカーはまだ技術の言葉を優先しているということも言ってました。製品の機能を語るときに、日常生活で使われる言葉ではなく技術用語を使ってしまっているという批判なんですが(僕は心中大いにうなづいたものです)、彼によると海外ではテクニカルコピーライターとかいって、技術分野専門のコピーライターがいるそうな。本当ですか?>海外事情に詳しい方

世界の中心で(TC Street 1999/4/29)

こんにちは、伊藤です。

例によって雑談ですので、お暇な方のみご覧ください。

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今日の朝日新聞には、テクニカルコミュニケーターとしての自分が興味を感じた記事がふたつありました。ひとつは一面の「日本語で説明して」という記事。スキーム、コンセンサス、アカウンタビリティなどの役所言葉は、計画、合意、説明責任という日本語のほうがわかりやすいという世論調査の結果を報じたものです。ライターの皆さんは、胸にグサっとくるものがあったのではないでしょうか?(^^) しかし一方では、「催し」よりはイベント、「利点」よりはメリットというカタカナ言葉のほうがわかりやすいということもわかったそうで、カタカナ言葉も浸透度によっては日本語よりもわかりやすい場合があるのだなあと考えさせられました。

同様のことが最近読んだ沢木耕太郎の『チェーン・スモーキング』にも出ていました。

「最近読んだハードボイルド小説の文庫版の訳者あとがきに、かつて単行本で出す際に「ジョギング」という言葉をどう訳そうかと悩んだのが嘘のような時代になってしまった、という意味の一節があった」-沢木耕太郎著「チェーン・スモーキング」(新潮文庫)p.112より-

言葉が時代とともに変わっていくものである以上、雑誌、新聞、書籍、テレビ、インターネットといった様々なメディアから流れ出てくる言葉を日々浴びながら、どのあたりが「ふつう」の言葉なのかを感じ取っていくことが、テクニカルコミュニケーターとしては欠かせないのでしょうね。とうそぶきつつ、仕事をする前についついテレビのスイッチを入れてしまう自分の姿が目に浮かびます。

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新聞で興味を感じたもうひとつの記事は、八面に掲載されたソニー社長の言葉です。これは「アメリカづきあい」という一連の特集記事の総括として、いろいろな立場の人に米国観を語ってもらったもので、松田聖子さんなどとともにソニーの出井社長が登場しています。そこで彼は「ニューヨークは国際金融の拠点であり続ける一方で、エレクトロニクスの世界的中心地が東京であることははっきりしている」と語っています。

僕が感じたのは、こういうことです。東京、まあこれは日本と言い換えてもいいと思うのですが、それがエレクトロニクスの分野で世界的中心地かどうかは意見のわかれるところかもしれませんが、少なくとも大きな極であることは間違いないと思うのです。とすれば、エレクトロニクス関連製品に付属しているマニュアルであるとか、製品のユーザーインターフェースなど、僕らテクニカルコミュニケーターが関わる仕事もまた、その分野における世界の最前線に位置すると見ることもできるのではないかと思うのです。例えば、僕は家電系製品のマニュアルを見るたびに、その完成度の高さに感心させられるのですが、そういったものはいわば世界の中でもマニュアルの最前線と言ってもよいのではないでしょうか。

マニュアルは、国、地域、文化などによって最適なスタイルは異なるのだから、世界の中心云々などという考えは無意味だという意見もあるかもしれません。しかし、少なくとも自分たちの仕事が世界の中心・頂上に位置する可能性があるという意識を持つことは、仕事をする上でひとつの励みになるのではないでしょうか。とまあ、そんなことをトイレで新聞を読みながら考えたことでした。(^^)

マニュアルレビュー:WinCDR4.0のマニュアルの出来がいい(TC Street 1999/3/16)

先日、仕事上の必要にせまられてCD-Rのドライブを購入しました。ずいぶん安くなったのにも驚きましたが(内蔵タイプだと2万円からある)、だいぶ普及しているらしい様子にも驚きました。秋葉原のラオックスのブックフロアではCD-R関連書籍のコーナーがありましたし、パソコンショップではCD-Rドライブを何機種も並べていました。

僕が購入したドライブにはアプリックスの会社のWinCDRというCD-R作成ソフトが付属していました。このマニュアルがなかなかよくできていて、感心させられました。上記のような普及ぶりを考えると、マニュアルもきちんとしたものを作っておかないとサポートが大変だという事情があるのかもしれませんね。

気に入った点:
・最初にCDやCD-Rの原理がわかりやすく解説してある。ソフトとCD-Rを正しく扱う上で必要な知識なので、この配慮はありがたいです。
・章立てが、制作するCD-Rの種類ごとに分かれていて、どこを読めばよいかがわかりやすい。
・用語集がついている。CDの規格名としてJoliet、Mixed Mode CDなどわからない言葉がけっこうでてくるので、用語集は役立ちます。
・右ページの小口部分に、辞書風に裁ち切りの章見出しがついている(いわゆるツメ)。全章分が入っていて、いま見ている章のツメだけが濃くなっていることや、章見出しをそのまま使わずに短い言葉に置き換えていることなどが、ちょっとした工夫ではありますが、なかなかいいです。全体の構成が常に見えている安心感がありますし、いま全体の中のどういう位置づけの部分を開いているかもす
ぐにわかります。
・本文のレイアウトもすっきりとしていて、いいです。

不満な点:
・索引がない。176ページもあるマニュアルに、なぜ索引を付けなかったのでしょうねえ。画竜点睛を欠く、といった観があります。

老人とマニュアル(TC Street 1999/2/1)

こんにちは、伊藤です。以下、雑談みたいな話なので、お暇な方だけどうぞ。

今日の朝日新聞の夕刊に掲載されていた、水上勉の「音声入力 わが実験の記」〜画面に声はりあげる日々〜は、ご覧になりました? マニュアル制作に関わるものとしては、いろいろ考えさせられる内容でした。ちょっとその感想など。

この文は、目を悪くした水上さんが、音声入力なら目が悪くても文章が入力できるということで、IBMの音声入力機能(Via Voiceですね)付きパソコンを買って、それを使いこなそうと苦労している日々のことを書いたものです。この中で、マニュアルに対する意見・感想がいくつか出てきます。その部分を要約してみます。
・マニュアルが10冊近くあって一月かかってもまだ読み切れない
・活字が小さく横組みなので読みにくい(手術用の拡大鏡で読んでいる)
・マニュアル通りに(インターネットに)つながったためしがない

あと、ちょっとわかりにくいのですが、水上さんは70歳でマッキントッシュを使い始め、79歳の現在になって道具として使いこなせるようになってきて、マニュアルもスムーズに読めるようになっていたのに、今回購入したパソコンのマニュアルはしっくりいかない、ということも言っています。それが、マックとウィンドウズという環境の違い(用語の違い、概念の違い)からくるものなのか、IBMのマニュアルの出来ばえがアップルのに劣るということを言いたいのか、ちょっとわかりませんでした。

ともあれ、全体として、マニュアルに対する批判が前面に出た文章でしたね。中でも、文字が小さいということは4、5回繰り返して言っており、印象に残りました。

さて、この文章から、こんなことが言えるのではないでしょうか。
・マニュアルをちゃんと読んでくれているユーザーがここに一人いた(むしろ年輩の方のほうがマニュアルを読もうとするのかもしれない)
・年輩の方には横組み、小さい文字は読みにくい場合もある(障害者にとっても)

これからは年輩のパソコンユーザーがもっと増えていくでしょうから、年輩者向けの配慮がいっそう重要になってくるかもしれませんね。それから、水上さんのような例を見ると、安易なマニュアルの電子化(オンライン化)は考え物だなという気がします。紙のマニュアルで苦労している人に、PDF、HTMLといった形式のマニュアルを読んでくれ、とは言いにくいです。

以上、新聞を読んでの雑感でした。