伊藤テクライト事務所

TCミニ用語集

ホーム 誰がやっているの? 料金は? どんな仕事をしてきたの? 備忘録 ミニ用語集 書評

テクニカルコミュニケーションの仕事のなかで使われる用語や雑学的な関連情報について、自分用のメモとして用語集を作っていきます。正確な定義を目指すあまり身動きが取れなくなることよりも、おおざっぱでいいからどんどん項目を増やしていくことを旨としますので、その点を割り引いてご覧ください。

インデックス→ 英数字          

英数字

10ヒューリスティックス (10 heuristics)

ヤコブ・ニールセンの提唱する、ユーザビリティの10原則。ヒューリスティック評価において、評価の基準となりうるもの。以下の10項目からなる。(『ユーザビリティエンジニアリング』樽本徹也著、オーム社より引用)

1. システム状態の視認性

システムは、妥当な時間内に適切なフィードバックを提供して、今、何を実行しているのかを常にユーザに知らせなくてはいけない。

2. システムと実世界の調和

システムはシステム指向の言葉ではなく、ユーザになじみのある用語、フレーズ、コンセプトを用いて、ユーザの言葉で話さなければならない。実世界の慣習に従い、自然で論理的な順番で情報を提示しなければならない。

3. ユーザコントロールと自由度

ユーザはシステムの機能を間違って選んでしまうことがよくあるので、その不測の状態から別の対話を通らずに抜け出すための、明確な”非常出口”を必要とする。”取り消し(undo)”と”やり直し(redo)”を提供せよ。

4. 一貫性と標準化

異なる用語、状況、行動が同じことを意味するかどうか、ユーザが疑問に感じるようにすべきではない。プラットフォームの慣習に従え。

5. エラーの防止

適切なエラーメッセージよりも重要なのは、まず問題の発生を防止するような慎重なデザインである。

6. 記憶しなくても、見ればわかるように

オブジェクト・動作・オプションを可視化せよ。ユーザが対話のある部分から他の対話に移動する際に、情報を記憶しなければいけないようにすべきではない。システム利用のための説明は可視化するか、いつでも簡単に引き出せるようにしなければならない。

7. 柔軟性と効率性

アクセラレータ機能(初心者からは見えない)は上級ユーザの対話をスピードアップするだろう。そのようなシステムは初心者と経験者の両方の要求を満たすことができる。ユーザが頻繁に利用する動作は、独自に調整できるようにせよ。

8. 美的で最小限のデザイン

対話には、関連のない情報やめったに必要としない情報を含めるべきではない。余分な情報は関連する情報と競合して、相対的に視認性を減少させる。

9. ユーザによるエラー認識、診断、回復をサポートする

エラーメッセージは平易な言葉(コードは使わない)で表現し、問題を的確に指し示し、建設的な解決策を提案しなければならない。

10. ヘルプとマニュアル

システムがマニュアルなしで使用できるに越したことはないが、やはりヘルプやマニュアルを提供する必要はあるだろう。そのような情報は探しやすく、ユーザの作業に焦点を当てた内容で、実行のステップを具体的に提示して、かつ簡潔にすべきである。

2重符号化仮説 (Dual Coding Theory)

認知科学者ペイビオ(A・Paivio)の唱えた仮説。ある対象を記憶する場合、それはイメージ化(心象化)と言語化という2種類の形で符号化されると考える説。具象性の低い言葉(抽象語)よりも、具象性の高い語(具象語)のほうが記憶しやすく、具象語よりも絵(とくに命名の容易な絵)のほうが記憶しやすいという実験から導かれた。この説に従うなら、読者に何かを記憶させたい場合、具象語と具体的なイメージという組み合わせを使用するのが効果的だということになるだろう。

CUI(シーユーアイ)

キャラクターユーザーインターフェース

eラーニング(e Learning)

コンピュータあるいはコンピュータネットワークを利用した教育システムのこと。 パソコン上で語学の勉強や何かの資格取得のための勉強ができるソフトウェアや、インターネット上のウェブサイトで勉強できるシステムなどがこれに該当する。特に後者の形態は、パソコンとインターネットの普及により急速に広まっているように思われる。これは、通信教育の新しい形態ということもできるだろう。

テクニカルライター/テクニカルコミュニケーターとしては、そういったeラーニングの教材作りやウェブサイトの構築などの部分で活躍の場が広がると考えられる。

参考サイト:

e MANABI

日本イーラーニングコンソシアム

GUI(ジーユーアイ)

グラフィカルユーザーインターフェース

PUI(ピーユーアイ)

パーセプチュアルユーザーインターフェース

QQVGA (Quarter QVGA)

160x120ドットの画面サイズのこと。面積比でQVGAの4分の1になる。→QVGA, VGA

QVGA (Quarter VGA)

320x240ドットの画面サイズのこと。面積比でVGAの4分の1になる。→VGA

SEO (Search Engine Optimization)

検索エンジンで検索したときに上位に表示されるよう、検索エンジンのランク付けの仕組みに合わせてウェブサイトのつくりを最適化すること。日本語では検索エンジン最適化という。もしコンテンツを充実させることをおろそかにしてSEOに走るとしたら、それは本末転倒という気がする。

STC (Society for Technical Communication)

テクニカルコミュニケーション分野の世界的な組織。会員は25000人におよび、米国、ヨーロッパ、アジア各地に支部を持つ。1971年にTWE、STW、TPSの3団体が統合されて生まれた。

STC東京支部 (Society for Technical Communication Tokyo Chapter)

STCの日本唯一の支部。

STCマニュアルコンテスト

STC東京支部主催のマニュアルコンテスト。優れたマニュアルの顕彰と制作技術向上を目的とし、1991年から実施された。初期のマニュアルコンテストの運営に関わったので、第1回から第5回までの受賞作を挙げておく。

第1回 STCマニュアルコンテスト受賞作一覧(1991年)

最優秀賞
優秀賞
優良賞
特別賞

第2回 STCマニュアルコンテスト受賞作一覧(1992年)

最優秀賞
優秀賞
優良賞
特別賞

第3回 STCマニュアルコンテスト受賞作一覧(1993年)

最優秀賞
優秀賞
優良賞
特別賞

第4回 STCマニュアルコンテスト受賞作一覧(1994年)

最優秀賞
優秀賞
優良賞
特別賞

第5回STCマニュアルコンテスト受賞作一覧(1995年)

最優秀賞
優秀賞
優良賞
特別賞

STW (Society of Technical Writers)

STCの前身となった団体の一つ。1953年創立。

SVGA (Super Video Graphics Array)

800x600ドットの画面サイズのこと。→VGA

SXGA (Super eXtended Graphics Array)

1280x1024ドットの画面サイズのこと。→XGA, VGA

TechComm

TC分野で働く人が自由に語り合える場として提供されているメーリングリスト。

TECHWR-L

TC分野で最大のメーリングリスト。

TC協会 (Japan Technical Communicators Association)

TC分野の団体が集まって結成された業界団体。TCシンポジウムやTC技術検定を実施している。

TPS (Technical Publishing Society)

STCの前身となった団体の一つ。1954年創立。

TWE (society of Technical Writers and Editors)

STCの前身となった団体の一つ。1953年創立。

UCD (User Centered Design)

ユーザー中心設計

VGA (Video Graphics Array)

640x480ドット、16色の表示モードのこと。

画面サイズの比較(QQVGA, QVGA, VGA, XGA, SXGA)

XGA (eXtended Graphics Array)

1024x768ドットの画面サイズのこと。→VGA

アフォーダンス (affordance)

米国の知覚心理学者ジェームス・ギブソンが英語のaffordから派生させた造語。認知科学のキーワードの一つ。人間も含めた動物が、ある事物に対して、あるいはそれを使って、何ができると感じるか、その性質のことをアフォーダンスというらしい。工業製品のデザイン、ソフトウェアのユーザーインターフェースのデザインにおいて、それを使いやすいもにするためには、アフォーダンスを意識することが重要ということのようだ。

例えばドアを開けるための取っ手が浅い溝になった形状であれば、それは引き戸として認識されるし、筒状のドアノブがついていれば開き戸だと認識される。この場合、そのデザインは、そのようにドアが使われることを「アフォードしている」という。

参考までに、いくつか引用を。『誰のためのデザイン?』(ドナルド・ノーマン著、野島久雄訳、新曜社)にはこう書かれている。「アフォーダンスという言葉は、事物の知覚された特徴あるいは現実の特徴、とりわけ、そのものをどのように使うことができるかを決定する最も基礎的な特徴の意味で使われている」。『アフォーダンス―新しい認知の理論』(佐々木正人著、岩波書店)によれば、アフォーダンスは「動物にとっての環境の性質」であり、「物体、物質、場所、事象、他の動物、そして人工物など環境の中にあるすべてのものはアフォーダンスをもつ」。平凡社世界大百科事典ではこう説明されている。「私たちは、ひもを用いて多種の物を多様な仕方で〈束ねたり、結んだり、縛ったり〉している。そのために曲げたり、ねじったり、巻き付けたりできる性質がひもにはある。それがひものアフォーダンスである。」

アルファ版 (alpha version)

ソフトウェア製品開発において、仕様をひととおり実装した状態のもの。ソフトウェア製品のマニュアル制作では、このバージョンのものが執筆のための材料として提供されることが多い。アルファ版では、画面のデザインが部分的に確定していなかったり、正常に動作しない機能があったりするので、マニュアル制作上は注意が必要だ。→ベータ版

インターコム (intercom)

STCが月刊で発行する会誌。 会誌ではあるが、キャリアの伸ばしかた、ウェブ制作のノウハウ、メールの書き方など、テクニカルコミュニケーターが興味を持つような内容を幅広く取り上げている。日本にはかつて「ザ・テクニカルライター」という業界誌が存在したが、それがない今、インターコムのような内容の雑誌が日本に存在していないことが大変に残念に思われる。

インデックス (index)

索引のこと。見出しの検索を容易にするために、辞書のように小口部分に四角形などのベタを置き、見出しを添えたもののことを指す場合もある。富士通がそれをサムインデックスと呼んでいたことから、インデックスという言い方が広まってきたのではないかと、個人的には思う。

追補:TechCommで、「電話帳のページの端にあるアルファベットの見出しは何ていうの? サムインデックス(thumb index)?」「そうだと思う」というようなやり取りを見かけた。どうやら英語でもサムインデックスというらしい。

インデント (indent, indention)

字下げ。横組みのレイアウトであれば、行頭にスペースを入れて行の始まりを右へずらすこと。例えば見出しは左端に配置し、本文は左側に何センチか余白をとって配置するというレイアウトはよくあるが、これは「本文をインデントする」という。

インハウスもの (in-house)

企業や団体の内部で使用されるマニュアルのこと。市販される製品のマニュアルでは利用者は不特定多数だが、インハウスのマニュアルはその組織の内部の人間に限られる。例えば、仕事の手順を記載した業務マニュアルや、その組織専用に開発されたシステムの操作マニュアルなどは、インハウスものということになる。次のような傾向が強い。

・対象読者が限定されているので一定の知識をすでに備えていることを前提として制作される

・組織内で随時内容を変更できるよう、専用のDTPソフトを使わず、Wordを使って制作する

・発行部数が少ないので(数十から数百)、印刷は簡易印刷またはコピーを使う

ウェブ (web)

インターネット上のウェブサイトとその世界規模のリンク網。かつてはワールドワイドウェブ(world wide web)やダブリューダブリューダブリュー(www)と呼ばれていたが、長ったらしいのでいつしかこの呼称が普及した。尻上がりのイントネーションで発音されることが多いが、個人的には女子高生言葉のようで違和感を覚える。→ウェブサイト

ウェブサイト (web site)

HTMLなどのマークアップ言語で書かれた、一定の目的をもったファイルの集まり。一般の日本人がホームページと呼ぶものがこれに相当する。本来ホームページとは、ウェブサイトのトップページのことや、ブラウザが最初に表示するページのことなどを表すらしく、ウェブサイトをホームページと呼ぶのは正しくないようだ。

課題分割 (subdivision of task)

難しい課題(目的)を実行するためには、その課題を構成する小課題に分け、小課題を順に処理していくことで課題全体の実行が容易になるという考え方。例えばワープロソフトで「猫」という文字をローマ字方式で入力するという課題の場合、

1.「NEKO」とタイプする

2.「猫」という漢字に変換する

3.Enterキーを押して確定する

という課題に分割することができる。文字入力になれた人ならほとんど自動的に行ってしまう操作だが、生まれて初めてという人の場合は、この分割された課題のどれであっても説明を受けずには実行できない。分割された各課題が理解されてはじめて全体の課題が実行可能となる。

鈴木宏昭氏らの研究によれば、複写機の操作についての実験では、うまく操作ができない人は課題分割を行っていないということがわかっている。そして、そういう人でも、課題を分割するという考え方を教わったあとでは、操作の時間が劇的に短縮されるということが証明されている。また、課題分割の考え方を教わっていない場合でも、操作画面に課題分割を支援する表示をすることで、操作が容易になるという結果も得られている。これは、ユーザーインターフェースやマニュアルのわかりやすさを考える上で、たいへん示唆に富む実験結果といえるのではないだろうか。→ユーザーインターフェース

キャプション (caption)

図版の下などに入れる説明文。もともとは見出しの意味だったらしい。→コールアウト

キャラクターユーザーインターフェース (character user interface)

文字によるユーザーインターフェース。キーボードからコマンドを入力し、操作結果も文字で表示されるという操作体系。→グラフィカルユーザーインターフェース

グラフィカルユーザーインターフェース(graphical user interface)

MacintoshやWindowsに代表される、画像を主体としたユーザーインターフェース。

検索エンジン最適化

SEO

コールアウト (call-out)

図版の一部に対する説明文や名称などの文字列。各部名称を説明するイラストから罫線を引いて、その先に名称や番号などを記載したものがマニュアルではよくあるが、それがコールアウト。キャプションとは呼ばない。→キャプション

小口(こぐち)

印刷物において、綴じる側(のど)の反対側を指す。この部分にそのページが属する章見出しなどを入れる場合、それを小口見出しと呼ぶ。

コマンド駆動 (command driven)

ソフトウェアにおいて、キーボードなどで命令(コマンド)を入力することで機能を実行する方式のユーザーインターフェースのこと。コマンドドリブンともいう。コマンド駆動型には、コマンドを知らなくては操作ができないという欠点がある一方、コマンドを知っている者にとってはキーボード上に手を置いたままですべての操作が可能であるというメリットもある。→メニュー駆動キャラクターユーザーインターフェース

サービスマニュアル(service manual)

製品のサービスマンが使用するマニュアル。製品の詳しい仕様、修理や部品交換の方法などが記載されている。メンテナンスマニュアルとも。→ユーザーマニュアル

ザ・テクニカルライター (The Technicalwriter)

かつて存在した国内唯一のテクニカルコミュニケーション業界の雑誌。惜しくも1990年代半ばに休刊(事実上の廃刊)となった。発行は株式会社アイディ。

シングルソース (single source)

一つの元データから複数の形態のマニュアルを生成すること。例えばFrameMakerで制作したマニュアルデータから、紙のマニュアル、PDF、オンラインヘルプの3種類のドキュメントを生成することができれば、シングルソースということになる。マニュアルの開発コスト削減と開発期間短縮の観点から、シングルソース化 (シングルソーシング)は注目されつつある。

ワンソースマルチユースという場合もある。

スキーマ (schema)

研究社のリーダーズ英和辞典によれば「概要、大意、図解、略図」とあるが、データベース用語、XML用語、心理学用語などとして用いられ、その意味はそれぞれの分野において異なってくる。我々の仕事に関連の深い心理学・認知科学の分野では、アタマのなかに蓄えられている知識のかたまりのことを意味する。 「図式」とも訳される。たとえば、あなたが上司から「Wordで昨日の会議の議事録を作って」と言われたとする。その意味をあなたが理解し、指示を実行できるのは、Wordが何であるか、会議とは何であるか、議事録とはどういうものであるか、などを了解しているからだ。そのWordについての知識、会議についての知識、議事録についての知識、そういったそれぞれの知識のかたまりがスキーマ。上司とあなたの間でスキーマが共有されていることで、先の指示はスムーズにあなたに伝わる。もしそれが共有されていなければ、上司は「Wordというのは文書を作成するためのソフトで云々」といったところから説明を始めなくてはならない。 すなわち情報を伝えるうえでは、スキーマが共有されているかどうかということが非常に重要だということになる。ちなみに、似た発音の言葉としてスキーム(scheme)があるが、これは「計画」という意味で、スキーマとは別もの。また、スキーマは心理学ではシェマと発音する場合もある。

スクリーンショット (screen shot)

画面に表示されたものを画像データとして取り出したもののこと。WindowsではPrint Screenキーを押すと全画面の、Alt+Print Screenキーを押すとアクティブウィンドウのスクリーンショットが、クリップボードに取り込まれる。これを画像ソフトに貼り付けることで、画面データが得られる。Macでは、Command(リンゴマークのキー)+Shift+3キーでスクリーンショットの画像データがデスクトップに作成される(Mac OS XではGrabというユーティリティも用意されている)。

ソフトウェアのマニュアルでは、多数のスクリーンショットが必要になる。上記のOS標準の機能では作業が大変なので、専用のソフトを使用するほうが効率がよい。Windowsなら画像ソフトのPaint Shop Proや、スクリーンショット作成専用のWinShotなどが使いやすい。MacではSnapzが有名。

なお、スクリーンショットを作成する操作のことは、画面取り、画面採取などという場合もある。また、スクリーンショットのことは、スクリーンキャプチャ(screen capture)、画面ダンプなどという場合もある。

スタイルガイド (style guide)

文書の表記や書式を統一するための基準となるガイドライン。英文用のスタイルガイドは多数存在するようだが、日本語用としては市販の用字用語辞典がこれに該当するといってよいだろう。また、大手メーカーは独自に作成したものを持っている場合が多く、メーカーのマニュアルを制作する場合は制作会社にそのスタイルガイドが提供される。形式としては、Excelの表に正しい表記と誤記を併記するようなものもあれば、Wordで解説をしていくものもある。

大学教育 (university)

国内ではテクニカルコミュニケーションについて教えている大学は少ないが、米国では1999年の調査で220以上の学位プログラムが実施されているという("Shaping the Future of Our Profession" Technical Communication vol.48 No.2 May 2001)。

タッチタイピング (touch type)

キーボードを見ずにキーを打つこと。以前はブラインドタイプと言われていたが「ブラインド」が差別的であるという理由でこの言い方に変わった、という話を聞いたことがあるが、本当かどうかはわからない。

地 (ち)

印刷物において、ページの下側のことを指す。→

チャンク (chunk)

認知心理学者ミラーの提案した、認知における情報処理の単位で、ものごとを記憶するときのひとまとまりの情報のこと。例えばcatsanddogsという文字列を単なる11個の文字の羅列として認識して記憶するのは容易ではないが、cats and dogsと三つに分けてみれば覚えるのは簡単である。これは、「c、a、t、s」をcatsというチャンクとして、「a、n、d」をandというチャンクとして、「d、o、g、s」をdogsというチャンクとして記憶できるからだ。 つまり、人は情報をチャンク化することにより、より多くの情報を記憶することができる。→マジカルナンバー7±2

チュートリアル (tutorial)

マニュアルの入門編。多くの機能を持つソフトウェア製品の取扱説明書において、製品の操作の流れや基本的な操作方法を示すために、簡単な目標を設定して、そこへ到達するための一連の操作を順を追って解説していくことがよくある。そういう部分のことを指す。→リファレンス

テクニカルコミュニケーター (technical communicator)

技術的情報をわかりやすく伝える人。技術分野を扱う、ライター、翻訳家、エディター、ディレクターなど各種の職業が含まれる。従来テクニカルライターを名乗っていた人も、仕事内容がライティングだけではなくなってきたため、テクニカルコミュニケーターと肩書きを変える場合 がある。

しかし、こんなこともあった。新聞に書いている記事が署名入りで出ることになったとき、編集局から「肩書きはどうしますか」ときかれて「テクニカルコミュニケーターかテクニカルライターでお願いします」と答えたところ、スペースの都合で「テクニカルライター」に決まった。確かに「テクニカルコミュニケーター」は長い。しかも言いにくい。しかも世間での認知度も「テクニカルライター」よりだいぶ低いことだろう。一般向けのメディアでは、「テクニカルライター」といっておいたほうがまだよいかもしれない。「テクニカルライター」のほうの認知度も相当低いものではあるが。→テクニカルライター

テクニカルコミュニケーション (technical communication)

技術情報をわかりやすく伝える行為全般。略してTC(ティーシー)。

テクニカルライター (technical writer)

取扱説明書、パソコン雑誌などの専門誌の記事、コンピューター関係の解説書などの執筆に携わる人。「ライター」と付くが、一般のライターとは相当仕事内容は異なる。例えば取扱説明書を執筆する人は、単に文章を書くだけでなく、取扱説明書全体の分冊構成や本の中の目次構成を考えたり、本のレイアウトについても基本方針を決めたり、ヘルプやウェブサイトのような電子データを制作したり、さまざまな仕事を担当するようになってきている。そのため「 〜ライター」という名称がそぐわなくなってきているのだが、慣習的にテクニカルライターという呼び方が現在も使われている。

米国では、テクニカルライターをしているという設定の漫画のキャラクター(「ディルバート」という漫画のティナ)や、ドラマの主人公(連続コメディドラマ「Andy Richter Controls the Universe」)も存在している。日本でも、ドラマにテクニカルライターが出てきたものが確か1980年代にあった。しかしながら、テクニカルライターという職業の世間一般の認知度はそれほど高くない(米国でもそうらしい)。田舎の両親に「おまえどういう仕事をしているんだい」と聞かれて単刀直入に「テクニカルライターだよ」と答えるテクニカルライターはまずいないのではないか。原稿を書く仕事だとか、取扱説明書を作っているとか、会社員だとか、そういうのではないだろうか。「ラーメン屋」だとか「プロ野球選手」だとか「落語家」だとか「タクシーの運転手」だとかみたいに、「テクニカルライターだよ」で誰でも了解してくれる時代はやってくるのだろうか。→テクニカルコミュニケーター

天 (てん)

印刷物において、ページの上側のことを指す。→

東京クロスポイント (TOKYO Crosspoint)

STC東京支部の発行する会報。

ドキュメンテーション (documentation)

研究社の新英和辞典では「1 文書[証拠書類]調べ; 証拠書類提出. 2 証拠資料,考証.」という意味だが、マニュアルの世界では「ドキュメント作り」を指す。→ドキュメント

ドキュメント (document)

一般には、特定の出来事や事実を伝えるテレビ番組や書籍という意味で使われることが多いのではないかと思うが、マニュアルの世界では我々の生産物であるマニュアルなどの「文書」という意味で使われる。

認知科学 (cognitive science)

「認知」とは「知ること」という意味である。「知る」ためには、目や耳など各種の感覚器官を通じて対象から情報を得て、それを記憶し、それを理解する必要がある。そういった過程全体を科学するのが認知科学ということになる。認知心理学と重なる部分が多いが、認知科学者の相場覚氏は次のように両者を区別する。

「心理学では、あくまで対象となる人間ないし動物を目のまえにおいて、それについての実証的研究を行おうとするものである。しかし認知科学では一歩離れて(引いて)、システムとしての人間を十分わきまえたうえで、そのシステムのどの部分(モジュール)が何のために存在するか、そしてその目標に対して、どのような手段でそのシステムがそれを実現しようとするか、などを理解したうえで、その具体的な働きを、実験ないし計算機のシミュレーションで確認する。つまり純粋にBottom-up的に、帰納法だけによって、事実ないし法則をみつけてゆくのではなく、理論が優先するのである。」(放送大学教材「認知科学」より)→認知心理学

認知心理学 (cognitive psychology)

人間がものごとを認識する、理解するときの脳と心の働きを調べる学問。テクニカルコミュニケーションでは、いかにわかりやすく説明するかということに頭を悩ますわけだが、その「わかりやすさ」を探求していくと必然的に認知心理学へと行き当たる。この学問の研究成果をうまく応用することで、よりわかりやすい説明の方法が見つかるかもしれないのである。→認知科学

のど

印刷物のページにおいて、本を綴じる側のこと。→小口

パーセプチュアルユーザーインターフェース (Perceptual User Interface)

身振り(視覚)や音声(聴覚)など人間同士のコミュニケーションに使われる方法を使った知覚による(perceptual)ユーザーインターフェースのこと。CUIGUIは、その使い方を覚えなければ利用できないが、PUIの実現により、人間が人間相手に日常的に使用している方法が機械に対しても使用できるようになれば、特別な学習なしに機械が操作できるようになると考えられる。

ヒューマンインターフェース (human interface)

人と製品を仲立ちするもの。ユーザーインターフェースという言葉がソフトウェア製品について使われることが多いのに対し、この言葉はハード、ソフトを問わず使われるようだ。そういう点で、ユーザーインターフェースよりももっと広い意味を持つと思われる。ヒューマンマシンインターフェースともいう。

かつてはマンマシンインターフェースといわれていたが、マンというと女性を除外していると誤解される可能性があることからヒューマンに置き換えられたという話を聞いたことがあるが真偽のほどは知らない。

ヒューリスティック評価 (heuristic evaluation)

ユーザビリティの評価手法の一つ。専門家がガイドラインと照らし合わせながら自らの経験や知識に基づいて製品を評価するというもの。 評価のアウトプットとして、ユーザビリティの問題の一覧が得られる。実際にユーザーに製品を操作してもらうことでユーザビリティを評価するユーザビリティテストとは対照的な手法といえる。

代表的ガイドラインとして、ヤコブ・ニールセンの提唱する「10ヒューリスティック」がある。

ニールセンによれば、1人の評価者で発見できる問題点は全体の35%で、少なくとも3人の評価者がいれば妥当な結果が得られるという。

 

ブラインドタイプ (blind type)

キーボードを見ずにキーを打つこと。現在は、タッチタイプと言う。→タッチタイプ

ページもの

印刷業界・DTP業界で、ページ数の多い印刷物のことをこう呼ぶ。→ペラもの

ベータ版 (beta version)

ソフトウェア製品の開発において、完成版に近い状態で、あとはさまざまな環境での動作チェックやユーザーによるテストなどを行ってバグを取り除いていけばよいという状態のもの。マニュアル制作では、この段階になってから画面採取を行うのが理想的。アルファ版で採取すると、取り直しが多くなる。→アルファ版

ペラもの

印刷業界・DTP業界で、1ページの印刷物のことをこう呼ぶ。→ページもの

ペルソナ(persona)

ユーザーペルソナ

マジカルナンバー7±2(magical number Seven plus minus Two)

認知心理学者ミラー(Miller)の言葉。人が短期的に認知できる事柄(チャンク)の数は7個前後という意味だ。人間の生理的な限界というわけだが、この認知心理学の成果は、マニュアル制作において非常に有用だと思う。例えば章が7つを超えると目次から本の全体像を把握するのが難しくなるし、機能を説明する概念図でブロックが7つを超えると意味が把握しにくくなる、というようなことがいえるはずだ。誰にでもわかることを目差すなら、マイナス2を基準として5つを目安とすべきか。何かを並べて示すときには項目数を5つ以内にすること、これを大原則として考えてみてはどうか。→チャンク

マッキントッシュ (Macintosh)

アップルコンピュータ社のパソコン。マックとも呼ばれる。発売は1984年。TC業界では、デザイン分野やDTP分野で高いシェアをもっている。コンピュータの世界にユーザーフレンドリー(使うものにとっての親しみやすさ)という概念を持ち込んだのはマックだった。研究室レベルのものを別とすれば、マウス、プルダウンメニュー、フォルダやファイルやゴミ箱からなるデスクトップメタファーなど、Windowsでもおなじみのユーザーインターフェースはすべてマックが最初だった。

有名な生物学者リチャード・ドーキンスは著書『利己的な遺伝子』(紀伊国屋書店、ISBN4-314-00556-4、日高敏隆・岸由二・羽田節子・垂水雄二訳)で次のように述べている。

「私は二五年間にわたって、さまざまな種類のデジタル・コンピューターの熱心なプログラマーであり、ユーザーであったが、マッキントッシュ(あるいはその模倣機種)を使うことは、以前のいかなるタイプのコンピューターを使うのとも質的に異なる体験であると証言することができる。それに対する無理のない自然な感情がある。ほとんど、この仮想機械が自分自身の体の延長であるかのような感覚である。仮想機械は、おどろくべき程度まで、あなたにマニュアルを眺めるかわりに直感を使うことを許してくれる。」

また、MITメディアラボ所長のニコラス・ネグロポンテは『ビーイング・デジタル』(アスキー出版局、ISBN4-7561-1604-3、福岡洋一訳)でこう書いている。

「コンピュータのルック&フィールを口にするとき、人びとが思い描いているのはグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(「プロ」はGUIと呼ぶ)である。GUIの大幅な改良が始まったのは1971年頃からで、まずゼロックス社が先鞭をつけ、MITその他の研究機関がすぐ後に続いた。GUIが現実の製品として具体化したのは、その10年後、スティーブ・ジョブズが知恵と忍耐の限りを尽くしてマッキントッシュを作り上げたときである。このときのマックは、市場に向かっての大きな一歩だった。これに比べたら、それ以後はほとんど何も起きていないといっていい。ほかのコンピュータ・メーカはみな、アップルを模倣するのに五年以上の時間を費やした。しかしある部分では、いまだにアップルに及ばないのが実状だ。」

『利己的な遺伝子』は1989年、『ビーイング・デジタル』が1995年の本であることを考慮する必要はあるが、マックがコンピュータ史に残る重要な存在であるということは感じられるのではないだろうか。

マニュアル (manual)

この言葉を私たちの業界では「取扱説明書」という意味で用いる。しかしそれ以外にもいろいろな意味がある。マニュアル車といえば、ギアチェンジがオートマチックではない車のことだ。恋愛マニュアルなら、恋愛のノウハウを手ほどきする指南書という意味になる。談合マニュアルとなると、談合を円滑に進めるための各種の決まりごとを書き記した秘密文書だ。

ちなみに英和辞書によると、ラテン語で手を意味するmanusに由来する言葉とのこと。それで「手の、手先の、手でする、手動の」という意味になる。名詞としては、「小冊子、手引き、マニュアル」という意味を持つ。

マニュアルコンテスト

STCマニュアルコンテスト

メニュー駆動 (menu driven)

ソフトウェアにおいて、メニューを選択して機能を実行する方式のユーザーインターフェースのこと。メニュードリブンともいう。例えばWindows用やMacintosh用のアプリケーションソフトでは、たいが「ファイル」というメニューがあり、それを開くと「開く」という項目がある。これを選択することでファイルを開くという操作が実行される。これがメニュー駆動型。メニュー駆動型が普及する前はコマンド駆動型が一般的だった。→コマンド駆動グラフィカルユーザーインターフェース

メンタルモデル(mental model)

人間はものごとを理解するとき、すでに知っている知識のなかから類似のものを取り出して、モデルを作って把握しようとする。これがメンタルモデル。適切なメンタルモデルを作ることができれば、その人はものごとを正しく捉えることができる。メンタルモデルが見当はずれのものであれば、理解もうまく進まない。これをマニュアル制作に応用するならば、何かを説明するとき、よく知られているものとの比喩を示すことで適切なメンタルモデルを読者に提供するという方法が考えられる。

ユーザーインターフェース (user interface)

ユーザーが製品を使うときに相対する物理的な操作個所や画面表示の全体。この概念が日本に紹介されたのはMacintoshが入ってきたときだったと思われる。それまでのパソコンはコマンド駆動型のものがほとんどだったのに対して、Macintoshはマウスでメニューを選択していくというグラフィカルユーザーインターフェースを採用していた。はじめて触れた人の多くは、「何なのだ、これは」という驚きを感じたその操作方式を理解するためには、ユーザーインターフェースという概念が必要だったということだろう。

最近では「UI」(ゆーあい)と略して使われることが多い。また、メニューやコマンドなどで使われる言葉そのものを指して使われることも多くなっている。例えばソフトウェアのローカライズにおいては、メニュー、コマンド、各種メッセージを翻訳することを指して「UIを翻訳する」と言ったりする。

ユーザー中心設計(user centered design)

ユーザーの視点に立って製品を設計するという考え方のこと。これは単にユーザーのほしがる機能を備えるということではなく、加えて、ユーザーがとまどうことなくスムーズに利用できる「利用の品質」を求めるということである。その実現の基本プロセスは、『ユーザビリティエンジニアリング』(樽本徹也著、オーム社)によれば次のとおり。

  1. ユーザーの“利用状況”を把握する。
  2. 利用状況から“ユーザーニーズ”を探索する。
  3. ユーザーニーズを満たすような“解決案”を作る。
  4. 解決案を“評価”する。
  5. 評価結果をフィードバックして、解決案を“改善”する。
  6. 評価と改善を“繰り返す”。

なお、ユーザー中心設計は、ISO 13407(国内ではJIS Z8530)にて規格化されている。

ユーザーペルソナ(user persona)

マニュアルや書籍の読者として、名前、年齢、職業、趣味などを具体的に想定して作り上げる仮想の人物。物事の説明のしかたを考えるうえで、対象を想定することは非常に重要となる。たとえば、ワープロソフトの説明をするとき、キーボード操作のできる人を対象にするのとできない人を対象にするのとでは、説明が大きく異なる。ユーザーペルソナを想定すれば、説明のしかたや説明すべき情報をより的確に判断する指針となる。

ユーザビリティ(usability)

使い勝手、使いやすさ。製品やドキュメントの使い勝手という意味で用いられる場合が多い。 ユーザビリティの定義は時代とともに変化してきているらしいのだが、『ユーザビリティテスティング』(黒須正明編著、共立出版)によれば、ISO9241-11:1998(JIS Z 8521:1999)の定義に「足並みをそろえつつある」そうだ。その定義では、ユーザビリティ(使用性)を次の3つで構成されるものとする。

  有効さ(effectiveness):指定された目標を達成するうえでの正確さと完全さ

  効率(efficiency):目標を達成する際に正確さと完全さに費やした資源

  満足度(satisfaction):不快さのないこと、および製品使用に対しての肯定的な態度

ところで、マニュアルなどドキュメントの場合でいうと、ユーザビリティとはどういうことか。たとえば、携帯電話のマニュアルが新聞紙のように巨大だったらどうだろうか。マニュアルに目次も索引もなかったらどうだろうか。虫眼鏡なしには読めないような小さい文字で印刷されていたらどうだろうか。いずれの場合もマニュアルは使いづらいことこのうえないだろう。それはユーザビリティに問題あり、ということになる。→ユーザビリティ・テスト

ユーザビリティテスト(usability test)

ユーザテストともいう。 製品やマニュアルを実際に対象ユーザー(と同じような知識レベルの人)に使ってもらい、ユーザビリティ上の問題がないかを調べるテスト。

『くたばれ、マニュアル!』(海保博之著、新曜社)によれば、代表的な手法としては次の4種類があるとのこと。

ユーザビリティ

ユーザーマニュアル

製品の使用者向けのマニュアル。→サービスマニュアル

用字用語辞典

文字どおり、文字や言葉の用い方についての辞典。「もちいる」という言葉を使うときにひらがなで表記するか漢字で表記するか、送りがなはどうするか、「マニュアル」と「取扱説明書」のどちらの言葉を使うか、カタカナの音引きをどうするか( ユーザー、ユーザ)、翻訳語の場合に元の言葉が複数からなる場合に言葉の区切りをどうするか(リーディングパス、リーディング パス、リーディング・パス)などなど、言葉の使い方にはさまざまな選択肢がある。用字用語辞典は、こういったものを統一するのに役立つ。

1990年代初めころまでは、マニュアルの制作にあたっては、どの用字用語辞典に準拠しようという取り決めをするのが常だったように思うのだが、最近はあまりそういうことはいわれなくなっている。新規でのライティングが減っているため、既存のマニュアルにあわせればそれで済んでしまうからかもしれない。

主な用字用語辞典を挙げておく。

『NHK新用字用語辞典』(NHK出版、ISBN: 4140111658)

『朝日新聞の用語の手引』(朝日新聞社、ISBN: 4022289120)

『記者ハンドブック 新聞用字用語集』(共同通信社、 ISBN: 476410475X)
『文章・用字用語ハンドブック』(テクニカルコミュニケーション研究会、日経BP出版センター 、ISBN: 4822720306)

リーディングパス (reading path)

そのマニュアルの読み進み方、またはそれを示した解説や図のこと。通常はマニュアルの冒頭に配置する。例えば5つの章からなるマニュアルで、製品の基本操作ができるようになるためには1章だけを読めばよいという場合、そのことをリーディングパスで明示しておけば、基本操作だけできればよいと考えるユーザーにとってはどこを読めばよいかがはっきりするので助かる。このようにリーディングパスを示すことで、ユーザーのマニュアルを読む負担を軽減させることができる。

リファレンス (reference)

製品の操作を、機能ごとや目的ごとに分けて詳しく解説する形式の取扱説明書。個々の機能についての解説は詳しいが、複数の機能を組み合わせて目的の作業を行うための操作の流れは示されない場合が多いため、それだけでは取扱説明書として不十分となる。→チュートリアル

ローカライズ (localize)

製品を外国で販売する場合に、製品、マニュアル、カタログなど各種のものを対象地域の事情に合わせて変更する作業のこと。具体的にはマニュアルの翻訳や製品のユーザーインターフェースの変更などが含まれる。例えば米国の確定申告のソフトを日本で販売する場合、ただメニューやマニュアルを日本語に「翻訳」すればいいというわけではない。米国と日本とでは税制などの法律や帳簿のつけ方などが異なるため、内容に踏み込んで、日本の事情に合わせて製品もマニュアルの記述も変える必要がある。そういう観点で行うのがローカライズである。名詞はローカライゼーション またはローカリゼーション(localization)。

ワード(Word)

マイクロソフト社のワープロソフト。パソコンの黎明期、国内ではワープロソフトといえばジャストシステムの「一太郎」だった。それが、Windowsの普及にともなって米国製ワープロのWordがシェアを伸ばし、いまではワープロソフト=Wordという状況になっている。特にテクニカルコミュニケーションの分野では、ちょっとした文書作成から本格的マニュアル制作にまでWordが使われており、仕事をしていくうえでの素養のひとつといった位置づけになっている。

ワング (Wong)

1970年代に使用されていた英文ワープロシステム。80年代の終わりにマニュアル制作会社で目撃したことがあるので、そのころまでは現役だったようだ。